介護業界で人手不足が深刻化する原因|介護士の離職率を下げる方法
介護職はやりがいを感じられる仕事であるものの、深刻な人手不足に悩まされる介護施設が少なくありません。実際に、人手不足が原因で倒産したケースも存在します。
人手不足を解消したい場合は、介護士が定着できる環境を整えることが重要です。離職率を下げる方法も把握したうえで、環境の改善を図りましょう。
今回は、介護業界で人手不足が深刻化する原因を解説します。現役介護士の離職を防ぐ方法や、おすすめの人材派遣会社も紹介するため、介護士の人材不足を解消したい人は参考にしてください。
目次
1.介護士の人材が不足している背景・原因
2019年に介護労働安定センターが実施した調査では、全国の介護関連施設の65.3%が「介護人材の不足を感じている」と回答しました。職種別では、特に訪問介護員(81.2%)や介護職員(69.7%)の不足感が顕著です。
出典:介護労働安定センター「令和元年度『介護労働実態調査』の結果」
少子高齢化時代における高齢者の増加や、核家族化による介護サービスへの需要増加に加え、以下のような要因で介護人材が不足しています。
●業務内容に見合った給与が得られない
介護職は身体的・精神的負担が大きい仕事でありながら社会的評価が低く、給与面で満足できない人も少なくありません。介護士の平均勤続年数が短いことも、平均収入が上がりにくい要因です。
●人間関係が難しい
介護職は、同僚やサービス利用者およびその家族・医療スタッフなど多くの人と関わります。認知症ケアの難しさや職場の人間関係の悪さが原因で、ストレスを抱えてしまうことも珍しくありません。
●マイナスイメージが強く人材が集まりにくい
近年は介護職の待遇改善が進んでいるものの、「介護職はきつい」といったマイナスイメージを持つ人は多くいます。若年層や未経験者から敬遠されやすいことも、慢性的な人手不足の原因です。
2.介護業界の人手不足を解消するための対策法
介護人材を増やすためには介護に対するマイナスイメージを払拭し、多くの人に興味を持ってもらう必要があります。また、潜在介護士向け就職・転職支援システムの整備も重要です。
ここでは、国・自治体や民間企業が実施しているさまざまな対策を解説します。
2-1.介護士にとって働きやすい環境を整える
人手不足の現場で働く職員は「休みをとりづらい」と不満を抱えるケースが少なくありません。スムーズに有休を取れるようになれば仕事と家庭生活の両立がしやすくなり、ストレス解消にもつながります。また、産休・育休取得を奨励することで出産・育児による離職を防ぐことも可能です。
介護士の労働環境を改善する策としては、日常業務の効率化・ICT化などもおすすめです。たとえば、各種記録(食事・入浴など)をタブレット端末に入力して他の端末と共有することで、転記・請求業務などの負担が軽減された例もあります。
2-2.外国人やシニア層を積極的に採用する
日本は、フィリピンやベトナムをはじめ多くの国とEPA(経済連携協定)を結んでいます。EPAにより、技能実習生ではない外国人の受け入れが可能になった結果、多くの外国人人材が介護業界で活躍できるようになりました。
また、健康なシニア層から「セカンドキャリアを充実させたい」「自身の介護経験を活かしたい」というニーズが増えています。
若手人材だけでなく、豊富な人生経験や利用者との年齢の近さを活かせるシニア人材にも注目してみましょう。
2-3.介護職のイメージアップを図る
介護職として働くメリットは、人の役に立ちながら大きなやりがいを感じられることや、年齢がハンデになりにくいことなどです。求人媒体やイベントなどを活用して介護の魅力を知ってもらい、介護職の魅力向上につなげましょう。
厚生労働省は、さまざまな方法で介護職のイメージアップに取り組んでいます。2019年度のPRプロジェクトでは介護福祉士として活躍するモデルを起用し、介護職の魅力や介護関連の最新テクノロジーなどにまつわる情報を発信しました。
2-4.求人情報の内容や採用方法を工夫する
求人媒体上でのPR方法を工夫したり、魅力的な求職者に直接コンタクトをとったりすると、応募が集まりやすくなります。特に中小企業の場合は、地名度を上げなければ応募につながる割合も高くなりません。
他には、インターンシップ制度の活用も有効です。未来の介護現場を支える学生や外国人などに仕事を体験してもらい、介護職の魅力を実感してもらうことで、介護職のイメージアップにつながります。
2-5.人材派遣会社を利用する
介護職として働く人の中には、さまざまな理由により期間限定で働きたいというも少なくありません。介護に強い人材派遣会社を利用すれば、短期間の就業期間であっても多くの人材に活躍してもらうことができます。
女性の職員が多い場合、結婚・出産やパートナーの転勤に帯同するなどの理由により、欠員が出ることもあるでしょう。人材派遣会社に登録しておくと、欠員が出た際に素早く人材補充できるメリットもあります。
3.現在勤めている介護士の離職率を下げる方法
新しい介護人材の採用はもちろん、現在勤務している介護士の離職率を下げることも重要です。介護業界における離職者数の多さは、介護士の平均年収を下げる要因の1つでもあります。
ここでは、介護士のモチベーションを維持しつつ離職率を下げる方法を、詳しく解説します。
3-1.定期的に勉強会を開催する
高い意欲を持って就業している介護士は多くいますが、日常業務に追われるばかりではスキルアップの機会が得られません。スキルアップを通してモチベーションを上げるためにも、定期的な勉強会の開催は重要です。
職員のスキルアップを支援してマンネリ化を防ぐためには、内部研修の実施や外部セミナーを活用してみましょう。職員同士のコミュニケーションが促進できるだけでなく、日々の業務に役立つ知識を得ることが可能です。
産休・育休から復職したばかりの職員や、長いブランクを経て再就職した職員は、周囲との関係性に悩むことも珍しくありません。定期的に情報交換の機会を設けることで、このような不安も解消しやすくなります。
3-2.職員一人ひとりの評価を適切に行う
公平な視点から職員一人ひとりを評価し、評価をきちんと給与に反映することで、職員はモチベーションを保ちやすくなります。職員一人ひとりを適切に評価するためにも、以下のポイントを心がけましょう。
- 日ごろの働きをねぎらう
- 改善してほしいことや伸ばしてほしいことがあれば伝える
- あらかじめ評価システムを明確にする
- 業務上の不安・不満やアイデアを気軽に話せるよう、職場の雰囲気づくりにも気を配る
4.人材派遣会社を利用するなら「㈱グローバルエール」
「今すぐにでも人手不足を解消したいものの、人材がなかなか集まらない」と悩んでいる事業主の人は、福祉介護専門人材派遣「㈱グローバルエール」を利用しましょう。
大阪府、兵庫県を拠点とする人材派遣会社の㈱グローバルエールでは、自ら介護職の経験のあるコーディネーターが事業主の要望に合った人材を紹介します。登録者・事業主の両方に安心してもらえるよう、人材紹介後も細やかなフォローを欠かしません。
人材不足に悩む方は㈱グローバルエールの利用を検討してください。
まとめ
今回は、介護業界で人手不足が深刻化する原因や、現役介護士の離職を防ぐ方法などを解説しました。
介護人材不足の主な原因には、業務量に見合う収入が得られないと思う人が多いことや人間関係の難しさ、介護職に対するマイナスイメージなどが挙げられます。介護職の労働環境を改善したり、外国人・シニア人材を積極的に活用したりして、労働環境の改善に取り組みましょう。
人材をすぐにでも獲得したい場合は、人材派遣会社の利用がおすすめです。福祉介護専門の人材派遣会社㈱グローバルエールを利用して、人材不足を解消しましょう。