採用担当者とは?役割・仕事内容・求められるスキルや成功ポイントも
採用担当者とは、企業が求める人材を採用する重要な役割を果たす専門家です。企業の成功と継続には、適切な人材の獲得が欠かせません。採用担当者は、多くの応募者から適切な候補者を見極め、組織に迎え入れ、事業の成長や繁栄に貢献します。
この記事では、採用担当者の役割、仕事内容、求められるスキル、そして採用広報の成功について詳しく探求します。人材採用の担当をしている方や採用担当者という仕事に興味がある方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
目次
1.採用担当者とは?
採用担当者とは、企業が求める人材を採用する人のことです。企業が事業を継続するためには、適した人材を確保しなくてはなりません。多くの応募者の中から自社が求める人材を見極めて迎え入れ、事業の継続や拡大に貢献する存在が、採用担当者です。
まずは前提知識として、採用担当者の役割や人事との違いを解説します。
1-1.採用担当者の役割
採用担当者の役割は、人材確保に関する一連のプロセスを担い、状況や結果に応じて改善することです。
採用プロセスは、最初にどのような人材を何人、どの部署へ補充するのか採用計画を立てることから始まります。求人の告知、書類選考、面接も含めて、すべてのプロセスが採用担当者の仕事です。採用した人材の入社後は、定着するまでのサポートも行います。
人事と採用担当者の違いは、枠組みの大きさにあります。人事は採用の他に育成、配置、評価、報酬、代謝など社員の確保から管理、退職まで幅広く担当する部署です。採用担当者は、人事が担う業務のうち、採用関連を任されている人物のことをさします。人事担当者たちの大きな枠の中に、採用担当者が含まれているとも言えます。
2.採用担当者の仕事内容
前述の通り、採用担当者は企業の事業継続や拡大に貢献する重要な仕事です。企業によっては新卒採用と中途採用で担当者が分かれていることもあり、経営者の意向のみならず採用対象に適した手法が求められます。
多角的に人を見る能力や責任感がなければ、務まりません。困難な仕事である分、入念に練った採用計画や戦略が通用して、優秀な人材を確保できたときは大きなやりがいを感じます。
採用担当者の仕事を大まかに分けると、下記の3ステップです。
1 | 採用計画・スケジュールを立てる |
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2 | 採用手法・採用基準を選択・設定する |
3 | 面接・選考の実践と内定者のフォローをする |
採用は、新卒など長期にわたって行うこともあります。そのため、事前に採用計画やスケジュールを立てて、求める人物像や目的とのズレが生じないように進めることが大切です。採用決定後も、入社辞退や早期離職を避けるためのフォローが求められます。
ここでは、採用の各ステップでどのような業務を行うのか、具体的に紹介します。
2-1.採用計画・スケジュールを立てる
採用活動は、新卒採用のように中長期的な計画となる場合もあれば、社員の退職や事業拡大にともなって短期間で行われることもあります。該当部署で求められる人材を的確に獲得するためには「いつまでに」「どのような人材を」「何名採用するのか」といった情報の整理が必要です。
採用担当者は、まず採用計画やスケジュールを立てるために目的の確認を行います。どのような人材がほしいのか、どのような業務を任せたいのか、必要に応じて部署の管理者に確認します。聞き込みを行うときは、抱えている課題も同時に洗い出し、人材を新たに採用することでどのような解決が期待できるのかも整理しましょう。
書類選考や面接は誰が行うか、どのような選考プロセスで進めるかも確認して、必要な人材を集めます。
2-2.採用手法・採用基準を選択・設定する
近年は、採用手法も多様化しています。事前にどのような媒体に掲載するのか、求める人材の層に合わせて採用手法を選びます。
また、誰が面接を行っても候補者の評価が変動しないように、採用基準もあらかじめ明確化しておくことが大切です。たとえば何年以上の実務経験が必要か、ソフトウェアなどの専門スキルはどの程度使えれば良いのか、明確に基準を設定します。
2-3.面接・選考の実践と内定者のフォローをする
各媒体への掲載が始まると、求職者から応募が集まります。一人ひとりに書類・面接で選考を行い、採用を検討します。
採用選考の特徴は、求職者によって進捗が大きく異なることです。媒体への掲載直後に応募した人材の面接を終える頃に、他の求職者が書類選考を受ける場合もあります。採用担当者は、各求職者の選考の進捗に応じた対応が必要です。
内定が出た後も、辞退が生じないように定期的な内定者フォローも行います。
3.採用担当者に求められるスキル
採用担当者に向いてる人の条件は、求められるスキルを有していることです。採用業務の中で必要となる主なスキルは、下記の通りです。
柔軟に対応できる |
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採用活動は、状況に応じて繰り返し面接官や求職者のスケジュールを調整したり、部署の要望に沿った求人内容の変更を行ったりする必要があります。柔軟に対応できるスキルがあれば、採用活動で活かせます。 |
こまかな気配りができる |
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採用担当者の重要な仕事の1つが、内定者フォローです。入社まで期間があいている場合、内定者は不安を覚えやすくなります。こまめなメール連絡で不安や疑問に寄り添い、ときには社内イベントへ招待するなど積極的なフォローができる気配り上手な人は、採用担当者向きです。 |
コミュニケーション能力 |
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採用活動の場では、コミュニケーション能力が欠かせません。求職者と自社の相性を見極めるためには、各部署がどのような人物を求めているのか正しく理解する必要があります。話し上手であると同時に聞き上手な人であれば、求職者の伝えたいことはもちろん、各部署が人材に何を求めているのかを把握できます。 |
上記に加えて、募集している部署に関する知識や実務経験があれば、採用活動を円滑に進められます。
見方を変えると、臨機応変な対応ができない人や、コミュニケーションや周囲への気配りが苦手な人は、採用担当者に向いていないと言えます。
4.採用広報を成功させるためには?
自社と相性の良い求職者を多く集めるためには、採用広報を成功させることが大切です。採用広報とは、自社で働くイメージをもってもらえるように、求職者や学生に向けて情報を発信することです。
効果的な採用広報は、入社後のギャップを予防したり、転職潜在層からの認知を獲得したりと、さまざまなメリットが期待できます。
ここでは、採用広報を成功につなげるポイントのうち、代表的な3つを紹介します。
4-1.施策前に戦略設計を練る
発信する情報を整理するために、まずは採用戦略を入念に設計します。戦略設計を練ると、情報を発信したいターゲット層を明確化でき、母集団の形成に役立ちます。
魅力的な情報を発信しても、ターゲット層が求める内容でなければ、応募や採用にはつながりません。効果が期待できる情報を見極めるためにも、まずは戦略設計でターゲット層や目標を明確化することが大切です。
たとえば自社の求人に応募が集まりにくい場合、原因がどこにあるのかで対応は異なります。認知度が低いのか、求人サイトの内容に原因があるのかなど、課題を洗い出すと採用広報の媒体や方向性を決めやすくなります。
4-2.企業の強みや特徴を押し出すようなコンテンツを作成する
練った戦略を参考に、採用広報のコンテンツを作成します。コンテンツ作成で重視すべきポイントは、企業の強みや特徴が伝わりやすい内容にすることです。
強みや特徴が見つからないときは、下記の6項目を整理しましょう。
- 市場に対する自社の立ち位置
- 事業内容
- 具体的な業務内容
- どのような人が業務に取り組んでいるか
- 企業文化
- 自社ならではの制度や取り組み
同じ商品を取り扱っている企業でも、市場での知名度が同程度とは限りません。たとえば店頭販売に注力しているA社と、通信販売で人気を獲得しているB社では、付随する業務内容や強みは大きく異なります。
企業文化やチームの傾向にも、自社ならではの強みや特徴が隠れています。福利厚生の内容や、独自の評価制度も強力なアピールポイントです。洗い出した強みや特徴を押し出して、「自分もここで働きたい」「仲間に入りたい」と思ってもらえるコンテンツに仕上げることが大切です。
4-3.現場の社員に記事などの作成を依頼する
コンテンツによっては、採用担当者よりも現場の社員に作成したもらったほうがターゲット層へささる内容に仕上がります。社員に協力してもらうべきコンテンツは、オフィスでの過ごし方や業務の流れ、実際の作業内容を取り入れた体験談が代表的です。
出社してから退社するまで、どのような業務を行っているのか、現場の社員にアンケートやインタビューを行いましょう。認知度が低い業種や職種の場合、作業シーンを動画で掲載する方法もおすすめです。
具体的に先輩社員の様子が分かるコンテンツの提供は、入社後のギャップを防ぎ、採用ミスマッチを事前に軽減できます。
まとめ
採用担当者は企業にとって不可欠な存在であり、適切な人材の獲得に貢献します。採用担当者は柔軟性、気配り、コミュニケーション能力を備えており、採用活動の成功に向けて戦略的アプローチを取ります。
具体的には、採用計画の策定、選考手法や基準の設定、面接・選考プロセスの実施、内定者のフォローアップなど幅広い業務を担当します。採用広報においても、戦略設計、魅力的なコンテンツの制作、現場社員の協力が成功の鍵となります。
採用担当者は、企業の未来を切り拓く重要なプレーヤーであり、適切な人材を確保することは競争力の向上につながります。