【介護業界】採用単価を減らして人材を確保する方法
老人ホームなどの介護施設や福祉事業所で働く人材を確保する場合、優秀な人材を採用したい管理職の方が多いのではないでしょうか。
採用単価を高く設定すれば募集体制を整えられるもののコストがかかり、採用単価を低くすると人材確保が進まないことがネックです。
コストを抑えて優秀な人材を集めるためには、介護業界における適正な採用単価を知らなくてはなりません。
今回は、介護業界の採用状況や採用単価を解説し、コストを抑えて採用活動が成功するための方法を紹介します。
目次
1.介護の採用状況と採用率・離職率
まず、介護業界を取り巻く状況を正しく把握しましょう。
高齢者人口の増加が将来的にも見込まれていることにより、介護業界では介護人材のニーズは右肩上がりとなる状況が続いています。
平成26年度~30年度における全職種と介護関係職種での有効求人倍率を比較すると、以下表の通りとなっていました。
全職種 平成26年度 1.00倍 平成27年度 1.11倍 平成28年度 1.25倍 平成29年度 1.38倍 平成30年度 1.46倍
介護関係職種 平成26年度 2.31倍 平成27年度 2.68倍 平成28年度 3.13倍 平成29年度 3.64倍 平成30年度 3.95倍
平成30年度時点で介護関係職種の求人倍率は3.95倍であり、求職者1人あたりに約4件の求人募集がある状況です。
介護人材の需要に対し、実際の人材数は足りていないことが分かるのではないでしょうか。
また、厚生労働省の試算では令和7年度末までに介護人材が約245万人必要とされています。
一方で、平成28年度における介護人材数は約190万人であり、年間で約6万人の伸びがなければ届かない数字です。つまり、介護人材不足は今後も続くことが見込まれています。
また、介護業界では「離職率の高さ」も問題です。
平成26年度~30年度における訪問介護員・介護職員の採用率と離職率を見てみると、以下表の通りとなっていました。
採用率 平成26年度 20.6% 平成27年度 20.3% 平成28年度 19.4% 平成29年度 17.8% 平成30年度 18.7%
離職率 平成26年度 16.5% 平成27年度 16.5% 平成28年度 16.7% 平成29年度 16.2% 平成30年度 15.4%
出典:公益財団法人介護労働安定センター「平成30年度「介護労働実態調査」の結果」
採用率が18~20%に対して離職率は16%前後であり、採用者と同程度の離職者がいると分かります。
経年で見ると離職率は緩やかに低下しているものの、採用率も低下しているため介護人材の定着率が高まっているとは言えません。
介護業界では離職した人材の穴を埋めるために新規人員を採用し、入社した後にはまた人材が離職するといった負のサイクルができています。
介護人材を募集する際は、人材難により採用が難しいことを知っておきましょう。
1-1.介護は採用が難しい業界
介護人材の採用が難航しやすい主な理由は、「仕事内容に対する平均年収の低さ」や「良い労働条件・労働環境の現場が少ない」ケースがあり、応募者が少ないためです。
介護人材も自分の生活があるため、給与や労働条件に魅力を感じない求人募集は積極的に応募しません。
とくに、優秀な人材を確保したい場合は採用が難しくなります。
ただし、介護職の平均年収や労働条件は、近年さまざまな取り組みが実施され、徐々に改善されている項目です。
介護の求職者にとって魅力的な募集内容であれば、スムーズに採用ができます。
2.【採用方法別】介護の採用単価
優秀な介護人材を採用するためには、採用1人あたりいくらかけるべきなのでしょうか。
ここからは、求人方法別に介護の採用単価を紹介します。
●求人サイト
求人サイトに求人情報を掲載する採用方法の場合、基本的に掲載課金型として求人広告の掲載料が発生します。
求人媒体に掲載する期間や採用人数によって費用感は変動しやすく、採用単価は約10万~100万円です。
また、求人サイトには成功報酬型のところもあります。
成功報酬型は求人情報への応募があった場合や採用した場合に成功報酬を支払うシステムであり、採用単価は約1万~10万円です。
●人材紹介
人材紹介会社に登録済みの人材を紹介してもらう方法です。
紹介した人材を採用した場合に紹介料として費用が発生し、採用人材の年収に対して30%前後が相場とされています。
たとえば年収300万円で採用した場合の採用単価は約90万円です。
●人材派遣
人材派遣会社に登録済みの人材を派遣してもらう求人方法です。
採用ではなく派遣の形を取るため、採用時はコストがかかりません。
人材の派遣期間中には派遣料として、派遣社員の時給に対して20~30%程度を継続して支払います。時給1,500円の場合、派遣料は1時間あたり約300~450円です。
3.コストを抑えて介護の採用活動を成功させるポイント
介護人材を採用するためには、求職者にとって魅力的な求人情報を作成するだけでなく、採用単価も考えなくてはなりません。
限られた予算の中で採用活動を行うためにはいくつかのポイントがあります。
以下で紹介する4つのポイントを実践し、コストを抑えて介護の採用活動を成功させましょう。
3-1.離職率から採用計画を立案する
採用活動を漠然と進めないためには、運営している介護施設における離職率から採用計画を立案することが大切です。
1年に離職は何人であり、新規採用は何人必要であるかを試算しましょう。
介護施設の運営規模を既存ベースのままキープするためには、離職率を十分カバーできる採用人数を設定しなければなりません。
「いつまでに採用が必要か」「予算や採用単価はいくらか」を考えることも重要です。
採用でクリアすべき目標とかけられるコストを明確にすることで、コストを抑えつつ成功できる採用計画が立案できます。
3-2.幅広い人材を採用の対象とする
介護業界の有効求人倍率は高い状況が続いているため、採用条件を細かく設定すると応募者がなかなか集まりません。
採用活動をスムーズに進めるためには、以下のように幅広い人材も対象とする必要があります。
- 育児などのために退職した方
- 他業種に転職してブランクがある方
- 未経験者や無資格者でもやる気がある方
また、幅広い人材を募集するためには、勤務環境などを整備する必要があります。
育児家庭を応援する福利厚生の充実や、教育研修制度・資格取得支援など、就職希望者が魅力に感じる取り組みを用意し、他社との差別化を図りましょう。
3-3.雇用関係助成金を利用する
採用単価を抑えるために、行政が整備している雇用関係助成金を活用しましょう。
次に、2つの助成金制度について概要を紹介します。
●人材確保等支援助成金(介護・保育労働者雇用管理制度助成コース)
支給額 | 50万~108万円 |
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介護事業を営んでいる方が介護人材の職場定着に役立つ賃金制度を整備し、離職率の低下に取り組んだ場合に支給対象となる制度です。
助成金支給は、賃金制度整備と目標達成の2段階に分けて行われます。
●特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
支給額 | 30万~240万円 |
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高年齢者や障がい者の方を採用した場合に支給対象となる制度です。
対象となる労働者の区分や企業規模によって、支給額が異なるため注意してください。
3-4.介護に特化した人材サービスを活用する
採用にかかるコストを抑えるためには、採用した人材が早期に離職しないよう採用後のミスマッチを減らすことが重要です。
ミスマッチを減らすために、介護に特化した人材サービスを活用しましょう。
パワーキャストグループの株式会社グローバルエールは、福祉・介護・医療分野を専門として人材紹介・人材派遣などの人材サービスを提供しています。
介護業界に精通したコーディネーターが、介護施設の業務に応じて最適な人材を選出してくれるため、ミスマッチの心配がありません。
スピーディーなサービス提供も強みであり、急場の人材募集にも対応できます。
コストを抑えて介護の採用活動を成功させたいのであれば、株式会社グローバルエールの人材サービスがおすすめです。
まとめ
介護業界は人材不足や高い離職率が問題となっており、採用が難しい状況です。
コストを抑えて戦力となる人材を採用するためには、適正な採用単価を知り、採用計画をしっかり立案しなければなりません。
求人募集する際は採用条件をなるべく幅広く設定したり、雇用関係助成金を利用したりすることも大切です。
採用後の離職率を抑えるために、介護に特化した人材サービスも活用しましょう。
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ここまでの内容を参考に、ぜひ株式会社グローバルエールを利用してください。