介護現場での人手不足対策として人材紹介会社を利用しよう!
介護業界は人手が不足していることもあり、未経験者でも採用することが多い業界です。しかし、「できれば質が高くて経験豊富な人材がほしい」と考えている採用担当者もいるのでないでしょうか。
そこで今回は、人材紹介会社を利用して採用活動を行うメリット・デメリットについて詳しく解説します。また、人材派遣との違いや採用単価を抑える方法、人材紹介業者の選び方も紹介するため、介護現場での人手不足対策として人材紹介会社の利用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.「人材紹介」と「人材派遣」の違い
介護現場で働く職員を採用するために、人材紹介会社の利用を検討している採用担当者の中には、「人材紹介」と「人材派遣」の違いが分からないという人も多いのではないでしょうか。人材紹介と人材派遣は、似ているようで仕組みが異なります。
まずは、人材紹介と人材派遣の特徴を解説します。
●人材紹介
人材紹介とは、企業から依頼を受け求職者を企業へ紹介するマッチングサービスのことです。求職者と企業の間で合意すれば、雇用契約が結ばれます。
人材紹介会社はあくまでも企業にマッチする人材を紹介するだけであり、雇用主は求人企業となることが特徴です。
●人材派遣
人材派遣とは、企業の依頼を受け人材派遣会社から企業にマッチする人材を派遣するサービスのことです。企業と求職者との間に雇用契約はなく、求職者の雇用主は人材派遣会社となります。
人材派遣は、仕事の指示は派遣先の企業が行いますが、給与は人材派遣会社から支払われます。また、派遣の場合は契約期間が決まっており、満了後は再度派遣継続の手続きが必要となります。
2.介護職において人材紹介会社を利用するメリット・デメリット
人手不足が深刻な介護職では、派遣スタッフを雇うことも珍しくありません。また、福祉業界や看護業界、医療業界向けの人材紹介会社などを通じて転職活動を行う医療従事者は多いため、介護職の採用活動において人材紹介会社の利用はおすすめです。
しかし、人材紹介会社の利用はメリットだけではありません。デメリットも少なからず存在します。メリット・デメリットを把握したうえで、人材紹介会社の利用を決めるようにしましょう。
人材紹介会社を利用する主なメリットは、下記のとおりです。
●メリット1:ミスマッチを防ぐ
求人募集をする際、イメージにあった人材を獲得するために「介護福祉士の資格をもつ人」「介護経験のある人のみ正社員採用」などと記載していても、未経験や条件に該当しない人が応募してくる場合があります。
人材紹介会社では、介護事業者が求める人材についてあらかじめヒアリングをするため、条件にあった人材だけを紹介することが可能です。ミスマッチを防ぐことができるため、余計な手間を省くこともできます。
●メリット2:採用効率が高い
求職者が希望している条件にあっているかどうかについては、事前に人材紹介会社が選考を行ってくれます。条件や希望に沿った人材を紹介してもらえるうえ、介護事業者は採用面接に割く時間を削減することができるため、採用効率が高くなります。
●メリット3:質の高い人材を得ることができる
できれば、経験豊富ですぐにでも現場で活躍できる人材ほしいものです。
エージェントやコーディネーターに前もって条件を伝えておけば、条件にあった人材の中からより質の高い人材を紹介してもらえます。求人情報誌などで求人を募る場合と比べて、経験豊富な人材が集まりやすいといえるでしょう。
●メリット4:スピード採用が可能
求人情報誌や求人サイト、ハローワークなどで募集をかける場合、サイトなどの登録や紹介文の作成、履歴書をチェックする手間が必要となります。また、応募がくるまで待たなければならないため、面接してから採用するまでに膨大な時間がかかります。
しかし、人材紹介会社を利用すれば、希望に沿った人材をすぐに紹介してもらえるため、新しい人を迅速に採用することが可能です。
一方で、人材紹介会社には下記のようなデメリットがあります。
●デメリット1:紹介できる人材が限られている
人材紹介会社が紹介できる人材は、紹介会社に登録している人だけです。登録者数が少ない人材紹介会社を利用する場合は、採用の幅が狭まる可能性があります。
●デメリット2:直接募集より費用がかかる
人材紹介会社を利用して人を採用した場合、紹介料などの手数料を支払う必要があります。介護事業者が直接募集をかける場合に比べて、費用が高くなることがデメリットです。
ただし、人材紹介会社の多くは成功報酬制となっているため、採用に至らなかった場合のコストはそれほど高くありません。一般的に、雇用した場合に支払う予定年収の20~30%を手数料として人材紹介会社に支払います。
3.採用単価を少しでも抑えるための方法とは?
人材を採用するにあたり「よい人材が欲しいけれど、採用単価も抑えたい」と考えることは当然です。しかし、どうすれば採用にかかる費用を抑えられるのか分からないという人も多いでしょう。
ここでは、少しでも採用単価を抑える方法について紹介します。低コストで人材を採用したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
3-1.離職率を把握する
新しい人を雇ってもすぐに離職してしまったら、再度新しい人を雇わなくてはならないため、採用回数が増えます。また、採用回数が増えた分、採用にかかるコストが上がります。
たとえば、手数料が30%かかる人材紹介会社で、想定年収350万円の人を一人採用した場合「350万円×30%=105万円」と、手数料だけで105万円が必要となります。しかし、離職率を減らすことができれば、採用にかかるコストそのものを下げることができるため、一人の採用にかかる手数料を抑えることも可能です。
まずは、介護事業所における離職率を算出し「年間に必要な採用人数」と「離職率を減らした場合に削減できる採用費用」を試算しましょう。そのうえで、採用計画を立てることがポイントです。
3-2.採用計画を立てる
「現場の人手が足りていないから、新しい人を採用しよう」と漠然と採用活動を始めてしまうと、採用が長引いたり、採用まで至らなかったりする可能性が高くなります。
新しい人材を採用するにあたって、まずは下記の情報を把握しておきましょう。
- 現在の状況で足りていない人員の数
- 施設の増設などによって、これから必要となる人員の正確な数
- 採用にかける期間・期限
求職者が自社を見学できる機会などもスケジュールに盛り込んでおくとよいでしょう。
3-3.ミスマッチを起こさないようにする
紹介してもらった人材と希望していた人材でミスマッチが発生すると、早期離職の可能性が高くなり、採用費用が無駄になってしまいます。ミスマッチを起こさないためにも、人材紹介会社のヒアリングで希望の条件をしっかりと伝えておくことが重要です。
また、現場の状況や一緒に働く予定のスタッフなどにもヒアリングを行い、どのような人材を求めているのかを把握しておく必要もあります。
ミスマッチを減らすために、下記の条件を明確にしておきましょう。
- 人材に求めるスキル(有資格者など)
- 経験の有無(経験年数、具体的な実績など)
- 雇用形態の確認(正社員・パートなど)
具体的な条件を提示し曖昧な表現を避けることが、ミスマッチを減らすことにつながります。
4.人材紹介業者の選び方
最後は、人材紹介業者を選ぶうえでのポイントを紹介します。
●手数料の支払い方法を確認する
手数料の支払い方法には、採用後に支払う「成功報酬型」と段階的に支払っていく「前金支払い」の2種類があります。人材紹介業者の多くは成功報酬型を採用していますが、トラブルを回避するためにも必ず契約の前に支払い方法を確認しておきましょう。
●返金規定・フリーリプレイスメントなどの確認をする
人材紹介業者の多くは返金規定を設けており、紹介された人材が自己都合ですぐに退社した場合、手数料が返金されます。
また、保証期間内の退社であれば、無償で代わりとなる人材を紹介するフリーリプレイスメントなどを設けているケースもあるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
●どこまでフォローしてくれるか確認する
職場に最適な人材を紹介してもらうためには、経験豊富なコーディネーターが揃っている業者や、看護師や社会福祉士、理学療法士など医療系の転職サポートを行っているマッチングサイトがおすすめです。
経験豊富なコーディネーターが揃った「パワーキャスト」では、希望にマッチした人材を紹介するだけでなく、採用スケジュールの設定から年収交渉、合格の通知までをすべて一貫して代行しています。
スムーズに採用活動を行うためにも、質のよい人材を紹介してくれる業者を選びましょう。
まとめ
人材紹介会社を利用することで、直接採用活動を行ったときよりも、希望に沿ったスキルや経験をもつ人材と出会いやすくなります。求職者と介護事業者のミスマッチを減らすことができれば、離職率の軽減につながり、結果的に将来の採用コストを抑えることも可能です。
人材紹介会社を利用する場合、手数料の支払いが必要となります。しかし、人選から年収交渉、面接日程の調整まで代行してもらえるなど、手厚いサポートが受けられるため、採用にかかる時間や手間を省くことができます。
「質の高い人材がほしい」「採用の手間を省きたい」「すぐにでも人手がほしい」という場合は、人材紹介会社を利用して採用活動を行いましょう。