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ホラクラシー組織とは?メリット・デメリットとティール組織との違い

ホラクラシー組織は、特定の状況や企業文化に適した新しい組織運営モデルです。意思決定の権限が組織全体に分散されており、トップダウンの指示系統ではなく、各メンバーが自律的に判断します。

組織は階層ではなく、相互に連携する「サークル」で構成される点もホラクラシー組織の特徴です。各サークルは特定の目的や機能を持ち、自己組織化しています。

当記事では、ホラクラシー組織の基礎的な内容から、ホラクラシー組織のメリット・デメリットまで詳しく解説します。

1. ホラクラシー組織とは

ホラクラシー(holacracy)組織とは、従来の階層型組織とは異なり、権限が各チームに分散されている組織形態です。各チームは、自律的に意思決定を行い、自己組織化して目標達成を目指します。

ホラクラシー組織では、「サークル」と呼ばれる小規模なチームが組織の基本単位となります。各サークルは、特定の目的を達成するために自律的に活動し、他のサークルと連携しながら組織全体の目標達成を目指します。

変化の激しい現代社会において、迅速かつ柔軟に対応できる組織構造が求められています。ホラクラシー組織は、自律的な意思決定と柔軟な役割分担によって、変化に迅速に対応することが可能です。

1-1. ホラクラシー組織とヒエラルキー組織の違い

ヒエラルキー組織(ヒエラルヒー組織)は、ピラミッド型の階層構造を持つ組織形態です。トップに経営者や役員が位置し、その下に管理職、一般社員と階層が続きます。

以下はホラクラシー組織とヒエラルキー組織の特徴の違いです。

特徴ホラクラシー組織ヒエラルキー組織
意思決定各チームや個人が自律的に意思決定トップダウン型で上層部が意思決定
役割分担役割は流動的で、状況に応じて変化役割は固定されており、責任範囲も明確
指揮命令系統上司と部下という関係ではなく、各個人が自律的に行動上司が部下に対して指示や命令を行い、部下はそれに従う
情報共有組織内の情報共有が徹底されており、誰もが意思決定プロセスに関与できる情報は階層ごとに管理され、下層部には情報が伝わりにくい場合もある
従業員のエンゲージメント個人の自律性と責任が重視されるため、エンゲージメントが高い傾向上司の指示に従うことが求められるため、エンゲージメントが低い場合もある
変化への対応力柔軟な役割分担と自律的な意思決定により、変化に迅速に対応できる意思決定に時間がかかり、変化への対応が遅い場合もある

どちらの組織形態が優れているかは一概には言えず、それぞれの組織の目的や状況に合わせて適切な形態を選択することが重要です。

1-2. ホラクラシー組織とティール組織の違い

ホラクラシー組織と似た概念として、ティール組織があります。どちらも従来のヒエラルキー組織とは異なる、新しい組織モデルとして注目されています。

ティール組織とは、フレデリック・ラルー氏が提唱した段階的に進化する組織モデルの概念です。組織全体が自己組織化し、個々のメンバーが自律的に行動しながら、共通の目的を達成していくことを目指します。哲学や価値観を重視し、組織文化と個人の意識変革を通じて、組織の進化と個人の成長を目指すことも特徴です。

ホラクラシー組織は、組織内でどのように動くかを定めたルール「ホラクラシー憲法」を基に運営します。生産性の向上を重視し、各チームが自律的に意思決定を行い、柔軟に対応することが求められます。

2. ホラクラシー組織のメリット

ホラクラシー組織は、個人の意見を取り入れやすく、変化に対応しやすい組織構造です。ストレス軽減にもつながるため、従業員のエンゲージメントや生産性の向上も期待できます。

以下では、ホラクラシー組織のメリットを3つ紹介します。

2-1. 個人の意見を取り入れやすい

ホラクラシー組織では、意思決定が各チームや個人に委ねられます。現場で業務に携わるメンバーが、自らの経験や知識に基づいて意見を出し、それを反映した意思決定を行うことが可能です。

ホラクラシー組織では、情報の透明性が重視されます。会議やミーティングの内容はオープンにされ、誰もが自由に発言できる環境が整っています。

意思決定のプロセスも透明化されており、なぜその決定がなされたのか、誰がどのような意見を述べたのかが明確に記録されます。

2-2. 変化に対応しやすい

ホラクラシー組織では、上層部の承認を待つ必要がありません。市場の変化や顧客のニーズの変化に対して迅速に意思決定し、行動に移すことができます。

固定された役職や役割がなく、状況に応じて柔軟に役割を変化できることもホラクラシー組織の特徴です。スキルや知識を持つメンバーが適切な役割を担うことができるため、効率性と適応性が向上します。

メンバー自身が自分の能力や興味に合わせて役割を選べるため、モチベーションの向上にもつながるでしょう。

2-3. ストレスの軽減が期待できる

ホラクラシー組織では、各個人が自分の役割と責任を明確に理解し、自律的に行動します。上司からの指示待ちではなく、自ら考え行動することで主体性が育まれ、仕事への意欲や満足感が高まります。これにより、ストレスの原因となる「やらされ感」や「無力感」を軽減できるでしょう。

ホラクラシー組織では、各チームや個人が自分たちの業務に関する意思決定権を持つのが特徴です。自分たちの仕事に責任を持ち、自主的に取り組むことで、仕事へのやりがいや達成感を感じやすくなります。

能力やスキルを活かせる場面が増えるため、成長を実感し、自己肯定感も高まります。

3. ホラクラシー組織のデメリット

ホラクラシー組織は、従来のヒエラルキー組織とは異なる革新的な組織形態ですが、導入時にはいくつかのデメリットも考慮する必要があります。

以下では、ホラクラシー組織のデメリットを3つ紹介します。

3-1. 生産性が一時的に下がるおそれがある

ホラクラシー組織では、従来のトップダウン型の指示命令系統がなく、各個人が自律的に判断して行動することが求められます。そのため、導入当初は、新しい意思決定プロセスや役割分担に慣れず、業務の効率が一時的に低下する可能性があるでしょう。

また、全員が同じ方向を向いて進むための共通認識を形成するのに時間がかかる場合もあります。

3-2. 仕事の管理が複雑になる

ホラクラシー組織では、各個人が複数の役割を担うことが多く、役割は流動的に変化します。誰がどのタスクを担当しているのか、進捗状況はどうなっているのかといった情報の把握が難しくなる場合があります。

適切なタスク管理ツールやコミュニケーション方法を確立しなければ、業務の混乱や遅延を引き起こす可能性があるので、注意が必要です。また、ホラクラシー組織では、仕事や進捗を管理する上司がいないため、従業員のセルフマネジメント能力が重要となります。

3-3. リスク管理が困難になる

ホラクラシー組織では、意思決定が分散化されているため、リスク管理が難しくなる場合があります。個々の判断が全体最適につながるとは限らず、一部の判断ミスが組織全体に影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

また、責任の所在が曖昧になりやすく、問題が発生した場合の対応が遅れるリスクがある点にも注意が必要です。

4. ホラクラシー組織の導入事例

ホラクラシー組織を導入している企業例は、以下の通りです。

  • Zappos(ザッポス)
  • 面白法人カヤック
  • ダイヤモンドメディア

Zapposは、アパレル関連の通販サイトを運営するアメリカの企業です。当時CEOだったトニー・シェイ氏の主導で2014年頃にホラクラシー組織へと移行しました。

導入当初は、社員の混乱や戸惑いも多かったものの、試行錯誤を繰り返しながら、Zappos独自のホラクラシー組織を構築していきました。意見を発言しやすい風通しの良さが魅力で、優秀な人材が多く集まっています。

まとめ

ホラクラシー組織では、個々の自律性と責任が重視されるため、従業員のエンゲージメントが向上しやすく、創造性や生産性を高めることが期待できます。また、変化に柔軟に対応しやすい点もメリットです。

一方で、導入には一定のデメリットも伴います。実際に、ホラクラシー組織を導入した企業は、さまざまな工夫を行っています。ホラクラシー組織では、従来の階層構造や役職がないため、ホラクラシー憲法に基づいて明確なルールとプロセスを確立することが重要です。