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日本の外国人労働者の現状・課題|受け入れるメリット・注意点

日本では外国人労働者が増加傾向にあります。企業に外国人を受け入れることで日本では見られない文化や価値観を感じることができ、企業の商品・サービスへの活用により企業のアピールにつながるケースも少なくありません。

しかし、外国人労働者の受け入れには課題が多く、課題の解決には支援などが必要になる場合もあります。

この記事では、日本における外国人労働者の現状と課題、企業に外国人を受け入れるメリット・デメリット、受け入れにあたっての注意点について解説します。外国人労働者受け入れ制度についても触れるので、外国人労働者の受け入れを検討中の企業の経営者・人事担当者の方はぜひご一読ください。

1.日本における外国人労働者受け入れの現状

外国人労働者とは、「自国以外の国で就労する労働者」のことです。日本に滞在する外国人労働者の数は、2011年の東日本大震災後は一時的に減少傾向にあったものの、その後は年々増加しています。

日本の総人口に占める在留外国人の割合も年々増えており、2012年には1.5%だった割合が、2017年時点では2.02%まで増加しました。

出典:厚生労働省「外国人労働者の現状」

厚生労働省が2021年に公表した調査結果によると、2021年10月末時点で届出があった外国人労働者数は約172万7千人です。

外国人労働者の国籍はベトナム(26.2%)、中国(23.0%)、フィリピン(11.1%)の順に多く、ベトナムと中国からの労働者が半数以上を占める結果となりました。

外国人労働者数が特に多い都道府県は東京(28.1%)、愛知(10.3%)、大阪(6.5%)で、労働者は都市部に集中していることが分かります。

また、産業別の外国人労働者数を見ると、製造業(27.0%)がもっとも多く、次いでサービス業(16.3%)、卸売業・小売業(13.3%)という結果でした。

出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和3年 10 月末現在)」

1-1.外国人労働者受け入れに関する問題

少子高齢化により労働人口が減少傾向にある日本において、外国人労働者は経済や労働市場の大きな助けとなっています。しかし外国人材の受け入れに関しては、以下のような課題も残るのが現状です。

  • 安価な労働力として見られやすい
  • 外国人労働者が働きやすい環境が整っていない
  • 不法就労者の実態を把握しにくい

近年では、日本とアジア諸国の賃金の差は狭まりつつあります。しかし日本企業の経営者や人事担当者の中には、外国人を「日本人よりも低賃金、劣悪な労働環境で働いてくれる安価な労働力」として見ているケースが少なくありません。厳しい労働条件で日本人労働者が集まりにくい職種の穴埋めとして外国人を雇おうとするケースも多く、外国人が働きやすい環境が少ないことも問題です。

また、異国での生活に困難を感じる外国人に対してのフォローが不十分だったり、人種差別やいじめがあったりして、労働者が精神的に追い込まれる場合もあります。

さらに外国人労働者の中には、在留資格を持っていない人や、在留期間終了後に不法滞在している人がおり、不法就労の実体を把握しにくいという課題も残っています。外国人労働者を雇用する事業主側も、雇用契約を結ぶ際は不法就労者でないかどうかを慎重に確認し、万が一不法就労が発覚した場合は厳正に対処することが重要です。

2.外国人労働者受け入れ制度

現在、外国人労働者が日本に入国、在留するためには、29種類ある在留資格のいずれかを取得している必要があります。

出典:出入国在留管理庁「在留資格一覧表」

日本に在留する外国人労働者が増加する中で、不法就労する単純労働者が増えたことを背景に、不法就労対策が強化されたためです。

しかし2004年の内閣府の世論調査では、外国人労働者の受け入れ制度について「知っている」と答えた人は24.8%、「知らない」と答えた人は72.9%でした。

出典:内閣府「外国人労働者の受入れに関する世論調査」

この結果から、外国人労働者受け入れのための制度が整備される一方で、制度に関する日本人の周知度は低くとどまっていることが分かります。

また2019年には、新たな在留資格として「特定技能」が創設されました。「特定技能」の創設により、日本国内での人材不足が深刻な特定産業分野14業種に関して、即戦力となる外国人労働者や熟練労働者の就労が可能になりました。

特定技能には、「1号」「2号」の2種類があります。

1号
概要 特定産業分野に属する相当程度の知識・経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向け
対象業種 14業種
在留期間 通算で上限5年まで
(1年、6か月又は4か月ごとの更新)
2号
概要 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向け
対象業種 2業種
在留期間 3年
(1年又は6か月ごとの更新)

出典:外務省「制度の概要」

外国人労働者の受け入れを検討する場合は、受け入れ制度の種類や概要について正確に把握することが大切です。

3.外国人労働者を受け入れるメリット・デメリット

外国人労働者を受け入れるメリットは、以下の2点です。

<メリット>

・人手不足の解消につながる

外国人就労を認める大きなメリットは、人手不足の解消や人員確保につながることです。

少子高齢化で特に若い世代の人員確保が難しくなっている昨今、外国人労働者を採用候補に加えることで、求職者の母数が増え、求める人員に出会いやすくなります。特にIT系のエンジニアや技術者、人手不足になりやすいサービス業などの人材確保を検討している場合は、外国人採用が問題解決につながる可能性もあります。

・海外進出・市場開拓の足掛かりになる

ビジネスシーンで役立つ言語を習得している外国人労働者を採用することで、海外とのコミュニケーションが円滑化し、海外進出の足掛かりになることがあります。

また、サービスを展開したい国の言語や文化に精通した外国人社員を雇えば、市場開拓の大きなサポートになる可能性が高いです。

外国人労働者を受け入れるデメリットは、以下の2点です。

<デメリット>

・雇用の手続きに時間がかかる

外国人労働者が日本で働くには在留資格(就労ビザ)が求められます。在留資格の取得には1~3か月程度の期間がかかる上、各省庁や労働者の母国機関の許可が必要なケースもあり、採用後の手続きに時間がかかります。

・文化や価値観の違いでトラブルが起きることがある

外国人労働者は、労働や時間などに関して日本人とは異なる文化・価値観を持っていることも多く、コミュニケーションや業務に支障が出ることがあります。

4.外国人労働者を受け入れるときの注意点3つ

外国人労働者を受け入れるときは、以下の3点に注意しましょう。

  • 就労資格の有無
  • 日本語レベル
  • 法律の順守事項

まずは、採用候補の労働者が、自社で働ける在留資格を持っているかどうかを確認しましょう。在留資格の中には、就労が認められていないものや、活動が限定されているものもあります。

加えて、業務を任せられる日本語レベルに達しているかどうかもチェックしましょう。ビジネスシーンで問題なく業務を行える日本語レベルとしては、日本語能力試験N2またはそれ以上のレベルが目安です。必要であれば、日本語学校への通学や日本語学習の支援も検討するとよいでしょう。

また、外国人の受け入れに関するルールをしっかりと理解し、法律を順守することも重要です。外国人労働者を雇用する場合、事業主は雇用状況をハローワークに報告する必要があります。

不法就労者を受け入れた場合、事業主に罰則が課されるため十分注意が必要です。在留カードなどの確認を怠ったために 不法就労者を受け入れてしまった場合、不法就労の事実を知らなかったとしても、罰則を免れることはできません。

まとめ

日本の外国人労働者の受け入れ状況としては、年々増加傾向にあり、2021年10月末時点で届出があった外国人労働者数は約172万7千人です。

近年、多様性を重視する人が増えています。外国人労働者を受け入れることで、多様なニーズに応える企業としてアピールになるでしょう。一方で、雇用の手続きに時間がかかるデメリットもあります。よく考えた上で自社にとって最適な方法を選択することが大切です。

企業に外国人労働者を受け入れる際には、法律の順守はもちろん、就労資格の有無もチェックしましょう。またビジネスシーンで問題なく業務を行えるレベルの日本語力があるかも確認しておくと、教育もスムーズに進められます。