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フィッシュ哲学とは?4つの行動原則と導入時のポイントを解説

フィッシュ哲学は、アメリカのシアトルにあるパイクプレイス市場で生まれたユニークなマネジメント手法です。この哲学は「遊ぶ」「楽しませる・喜ばせる」「注意を向ける」「態度を選ぶ」という4つの行動原則を柱とし、職場環境の活性化や従業員の満足度向上に貢献します。

フィッシュ哲学を導入することで、従業員同士のコミュニケーションが促進され、組織全体が一体となって成長することが期待できるでしょう。当記事では、フィッシュ哲学の基本的な概念と4つの行動原則について詳しく解説し、導入時のポイントについても紹介します。

1. フィッシュ哲学とは?

フィッシュ哲学とは、アメリカ西岸部のシアトルにある魚市場で生まれたマネジメント手法です。「遊ぶ」「楽しませる・喜ばせる」「注意を向ける」「態度を選ぶ」という4つの行動原則を持って仕事に取り組むことで、組織の活性化につなげるという考え方です。

フィッシュ哲学が生まれたパイクプレイス市場は、かつては廃れていた魚市場でした。しかし、ある魚屋の従業員が組織体制・働き方を改善した結果、市場全体が活気を取り戻します。

魚屋の取り組みの中でも特に注目されたのは、従業員同士で魚を投げて渡すパフォーマンスです。これまでにない新たな取り組みが話題を集め、「世界でもっとも有名な魚屋」と呼ばれるようになりました。

魚屋の成長が市場にプラスの影響をもたらしたことで、最終的には市場全体がシアトルを代表する観光名所の1つとして知られるようになります。

フィッシュ哲学は日本でも医療・教育現場などで活用されています。

1-1. フィッシュ哲学を導入するメリット

フィッシュ哲学を取り入れることによるメリットは、以下の通りです。

組織力が向上する
フィッシュ哲学を導入すると社員同士がお互いを注視するようになるため、足りない部分をフォローし合って働けます。部署・会社全体に協調性が生まれ、結果として組織力の向上が期待できるでしょう。
人材の定着につながる
フィッシュ哲学では、自分自身が仕事を楽しむことや、周囲と積極的にコミュニケーションを取ることが重視されます。社員それぞれが士気を高め、かつ職場内で孤立せずに良好な人間関係を築けるため、従業員満足度が高まって離職率の低下が期待できます。
顧客満足度がアップする
フィッシュ哲学を取り入れれば、お客さんのニーズを満たすために社員が積極的に提案・行動するようになります。社員自身が楽しみながら力を発揮する姿勢を届けることで、顧客満足度の向上につながります。

2. フィッシュ哲学の4つの行動原則と具体例

フィッシュ哲学は「遊ぶ」「楽しませる・喜ばせる」「注意を向ける」「態度を選ぶ」の4つの行動原則で構成されているマネジメント手法です。社員一人ひとりが4つの行動原則を取り入れて仕事に取り組むことで、職場の活性化につながります。

ここでは、4つの行動原理の概要や具体例について詳しく解説します。

2-1. 遊ぶ(Play)

「遊ぶ」とは、仕事に対する好奇心・やる気を持って楽しむことです。フィッシュ哲学のもととなったパイクプレイス市場の魚屋においては、魚を投げて渡すというアイデアが「遊ぶ」にあたります。

社員一人ひとりが仕事を楽しむ姿勢を持ち続ければ、職場全体の士気が上がるのはもちろん、新たなアイデアが生まれやすくなります。

具体的な行動例は、以下の通りです。

  • 社員それぞれがユーモアを発揮する
    社員が「自分のユーモアを発揮しよう」という意識を持つことで仕事に遊びが生まれ、楽しみながら業務に取り組めます。ほかの社員のユーモアを受け入れる姿勢も必要です。
  • 新たなアイデアを積極的に実践する
    職場に「遊び」を取り入れるため、社員が発信するユーモア・アイデアを積極的に実践しましょう。アイデアを実際の行動へと移す際は、楽しむことを優先するのがポイントです。

2-2. 楽しませる・喜ばせる(Make Their Day)

「楽しませる・喜ばせる」とは、見返りを求めずに相手に貢献することです。

フィッシュ哲学では、多くの人が抱く「他人から認められたい・褒められたい」という欲求を互いに満たし合うことが重視されています。社員同士で尊敬の気持ちを素直に伝え合えば良好な人間関係を構築できる上、個々のモチベーションアップにもつながります。

具体的な行動例は、以下の通りです。

  • 相手の良い部分を積極的に褒める
    職場仲間の良い部分にアンテナを張って積極的に褒めることで、相手に喜びや自信を与えられます。相手を褒める方法として、付箋やメモ帳に簡単なメッセージを書くのもおすすめです。
  • 笑顔やジェスチャーを取り入れる
    相手を褒めたり感謝を伝えたりする際は、笑顔で話すことやジェスチャーを付けるのがおすすめです。些細な工夫を取り入れるだけで、気持ちが伝わりやすくなります。

2-3. 注意を向ける(Be There)

「注意を向ける」とは、ほかのスタッフやお客さん一人ひとりに真摯に向き合い、丁寧に対応することです。

「Be There」は「そこにいる」という意味です。今そこにいる人が何を求めているのかという点に注意を向け、共感しようとするマインドを持つことを指します。

具体的な行動例は、以下の通りです。

  • 周囲の人が求めていることを知ろうとする
    ほかの社員やお客さんが何を求めているかを知るには、会話・発言に耳を傾けたり、行動を注視したりするのが有効です。また、対話を通して何を求めているのかを探るのもおすすめとなります。
  • 電子機器の使用を控える
    視野を広く持って周囲への注意を向けるためには、スマートフォンや音楽機器に集中しすぎないことが必要です。電子機器の使用は最低限に抑えましょう。

2-4. 態度を選ぶ(Choose Your Attitude)

「態度を選ぶ」とは、周りの状況に影響されず、自分の態度を自分自身で選択することです。

職員1人が周囲に対してどのような態度を取るかによって、職場全体の雰囲気やモチベーションも変わります。どのような環境下でも自分の態度・振る舞いを適切に選ぶことで、周りにポジティブな影響を与えられます。

具体的な行動例は、以下の通りです。

  • 理想的な態度を考える
    業務中の具体的なシーンを想定して、どのような態度が理想であるかを明確にしましょう。周囲でお手本となる人を見つけて参考にするのもおすすめです。
  • 日々の態度を振り返る
    普段、自分がどのような態度で過ごしているかを出勤時から順に振り返りましょう。理想的な態度は維持しつつ、反省点があれば改善します。

3. フィッシュ哲学を成功させるためのポイント

フィッシュ哲学の導入によって職場を活性化させるためには、具体的な取り入れ方や評価方法などのいくつかのポイントを押さえることが重要です。

ここでは、フィッシュ哲学を成功させるために押さえておくべきポイントを3つ紹介します。

3-1. 段階的に取り入れる

フィッシュ哲学の考え方を急速に浸透させようとすると、従業員の不満やストレスが蓄積しやすくなります。フィッシュ哲学に基づいた行動を強要したり、無理に同調させたりするのではなく、段階的に考え方を浸透させましょう。

フィッシュ哲学を導入することで職場に活気が溢れ、社員の人間関係がよりよいものとなるのは大きなメリットです。しかし、個人の考え方や性格、部署の雰囲気などを無視して浸透を急ぐと、結果として離職率の増加や人間関係の悪化につながる可能性もあるでしょう。

社員それぞれのペースを尊重しながら、徐々にフィッシュ哲学を取り入れるのが賢明です。

3-2. 職場環境の改善もすすめる

いじめやハラスメント、不適切な労働条件など、フィッシュ哲学だけでは解決できない問題がある場合、まずは問題の解決を優先しましょう。

「いじめやハラスメントで人間関係が崩れている」「給料水準が低く残業時間が長い」といった状況下では、フィッシュ哲学の導入は意味をなしません。根本的な問題を解決して職場環境を改善させてこそ、フィッシュ哲学を取り入れることによるさまざまなメリットを得られます。

フィッシュ哲学の効果を最大限に発揮するためにも、まずは安定した職場環境を整えましょう。

3-3. ポジティブな影響を評価する

フィッシュ哲学によるポジティブな影響を職場内で評価・共有することで、フィッシュ哲学導入のための取り組みに前向きな姿勢で参加できます。

フィッシュ哲学を取り入れて改善された点・成功した事例を定期的に評価すれば、効果をしっかりと実感することが可能です。また、社内全体での成果の共有が従業員にとっての成果の明確化にもつながり、モチベーションの維持・向上を促せます。

まとめ

フィッシュ哲学は、職場の雰囲気を明るくし、従業員のモチベーションを高めるための有効な手法です。「遊ぶ」「楽しませる・喜ばせる」「注意を向ける」「態度を選ぶ」という4つの行動原則を実践することで、組織全体が活気づき、個々の従業員が自分の仕事に対する情熱を再発見できます。

導入に際しては、段階的に進めることや、職場環境の改善を同時に行うことが成功の鍵です。フィッシュ哲学の導入で得られるポジティブな影響を評価・共有し、継続的な改善を図って、よりよい職場環境を築いていきましょう。