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派遣会社のマージン率は平均どのくらい?計算方法や費用内訳を紹介

「派遣で働きたいけど、マージン率ってどのくらいだろう?」「派遣会社に支払われるお金って、どこに使われているの?」といったような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。派遣先企業が派遣会社に支払う料金には、派遣社員の給与だけでなく、運営費や利益も含まれています。

当記事では、派遣会社のマージン率の概要や計算方法、マージンに含まれる費用内訳などを分かりやすく解説します。派遣会社を選ぶ際の判断材料の1つとして役立てていただければ幸いです。

1.派遣会社のマージン率とは?

派遣会社のマージン率とは、派遣先企業が派遣会社に支払う料金のうち、その中の「派遣社員への賃金を除いた部分」の割合のことです。

2021年の労働者派遣法改正により、派遣会社はマージン率の公開が義務付けられました。これにより、企業や派遣社員は、より適切な派遣会社を選択できるようになりました。

出典:厚生労働省「派遣会社のマージン率等について」

1-1.派遣会社におけるマージン率の平均はどのくらい?

一般労働者派遣事業者のマージン率は、平成16年には28.5%、平成30年には35.4%と増加傾向にあります。

出典:厚生労働省「マージン率等の情報提供について」

厚生労働省の「派遣会社のマージン率等について」では、都道府県ブロックごとの、派遣会社のマージン率等の一覧が確認できます。ご自身のお住まいの地域のマージン率等の一覧を確認することで、相場を把握できるでしょう。

1-2.派遣会社のマージンに含まれる費用の内訳

派遣会社のマージンに含まれる費用の内訳として、主に以下の項目が挙げられます。

  • 社会保険料(健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険)
  • 教育訓練にかかる費用
  • 有給休暇にかかる費用
  • 派遣会社で働く社員の人件費など、さまざまな経費
  • 営業利益

派遣社員が加入する社会保険(健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険)の事業者負担分は、派遣元企業が負担します。この費用もマージンの一部から支払われます。

また、派遣社員が有給休暇を取得した際の費用も派遣元企業が負担しなければなりません。有給休暇中の給与は、派遣先企業ではなく派遣元企業が支払うため、この費用もマージンの一部です。

派遣会社の運営にかかる経費もマージンからまかなわれます。例えば、派遣社員の募集にかかる広告費、派遣会社の社員の人件費、事務所の賃料・水道光熱費などが挙げられるでしょう。そのほか、派遣社員のスキルアップや研修に必要な教育訓練費も、派遣会社のマージンから支払われています。

1-3.派遣会社のマージン率の計算方法とは

マージン率の計算方法は、以下の通りです。

マージン率=(派遣料金の平均額-派遣賃金の平均額)÷派遣料金の平均額×100

例えば、厚生労働省の令和4年度のデータで計算すると、以下のようにマージン率が求められます。

  • 派遣労働者の平均賃金(8時間換算):15,968円
  • 派遣料金の平均(8時間換算):24,909円

(24,909-15,968)÷24,909×100=35.9465……%

つまり上記の例では、マージン率35.9%ということが分かります。

出典:厚生労働省「令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」

2.派遣会社のマージン率は低い・高いどちらがよい?

派遣会社を選ぶ際、マージン率は重要な要素の1つですが、低いからといって必ずしもよい派遣会社とは限りません。

マージン率が低いということは、派遣料金に対して派遣社員への賃金割合が高いので、同じ派遣金額であれば、支給金額が高くなります。一方で、マージン率や営業利益が低い状態が続くと、派遣会社の経営が厳しくなり、倒産リスクが高まる可能性があります。

また、マージン率が高い場合でも、派遣会社側の粗利になっているのではなく、派遣社員への教育研修やキャリアサポート、福利厚生などに力を入れている可能性もあるでしょう。しっかり利益を得ていれば、派遣会社の安定した経営にもつながります。

マージン率の確認も重要ですが、優良派遣事業者を中心に派遣会社の実態をよく調べ、自分に合った会社を選ぶことが大切です。

3.条件にマッチした派遣会社の選び方

派遣会社を選ぶ際に、多くの情報が飛び交い、どのように検討すればよいか迷ってしまう方も多いでしょう。ここでは、ご自身の条件に合った派遣会社を選ぶためのポイントをいくつかご紹介します。

3-1.希望職種の求人が豊富にあるか

求人数が多いということは、それだけ希望する職種に就ける可能性が高くなります。給与や勤務時間、福利厚生など、自分の希望に合った条件の仕事を見つけやすくなるでしょう。

また、さまざまな企業の求人情報から選べるため、自分のスキルアップにつながる仕事を見つけやすく、キャリアアップのチャンスも広げられます。

ただし、求人数が多いからといって、すべての派遣会社が優良とは限りません。派遣会社の評判や口コミなどをしっかりと確認することが大切です。また、求人数が多い一方で、サポート体制が不十分な場合もあります。キャリアアドバイザーの対応や、仕事の紹介後のフォロー体制なども確認しましょう。

3-2.給与や福利厚生が充実しているか

派遣会社を選ぶ際に、「給与や福利厚生が充実しているか」は、働きがいを大きく左右する重要な要素です。

充実した待遇は、長く働く上での安心感にもつながり、将来設計を立てやすくなります。また、自分の仕事に対する評価を実感でき、モチベーション高く働けるでしょう。

同じ職種であっても、派遣会社によって給与や福利厚生は大きく異なる場合があります。そのため、複数の派遣会社を比較検討することが大切です。社会保険や健康診断など、法律で定められているものは基本的にすべての企業が対応していますので、その点は安心です。対応していない場合は、法律に違反していることになります。例えば、1年に1回の健康診断をはじめとした「一般健康診断」は、労働安全衛生法66条に基づき、派遣元企業に実施義務があります。

3-3.担当者のサポートが十分か

派遣会社の担当者のサポートが充実していることのメリットは、主に以下の通りです。

  • 希望条件やスキルに合った仕事を提案してくれ、スムーズに仕事を開始できる
  • 新しい職場にスムーズに馴染めるよう、さまざまなサポートを行ってくれる
  • 派遣先の業務で困ったことや疑問点・悩みを、担当者に相談しやすい
  • キャリアアップの相談や、スキルアップのための研修の紹介など、キャリア形成をサポートしてくれる

また、担当者のサポートが十分か判断するためにも、以下のポイントを確認してみてください。

・初回面談時の印象をチェック

初めて担当者と会った際に、自分の話をよく聞いてくれ、丁寧に説明してくれるかを確認しましょう。

・質問への回答の的確さをチェック

疑問点や不安な点について、的確に回答してくれるかを確認しましょう。

・レスポンスの速さをチェック

メールや電話に迅速に対応してくれるか確認しましょう。

・職場への訪問頻度をチェック

派遣会社のスタッフが、自分の派遣先の職場を訪問して、仕事の様子や職場環境をチェックしてくれるかを確認しましょう。

・キャリア相談の有無をチェック

自分のキャリアアップに関する相談に乗ってくれるかを確認しましょう。

3-4.優良派遣事業者の認定を受けているか

優良派遣事業者とは、厚生労働大臣が定める一定の基準を満たした事業者のことです。法令の遵守はもちろん、経営の安定性と健全性があることや、派遣社員の就労支援とフォローアップ、待遇改善やキャリア形成支援など、よりよい労働環境の確保に努めていないと、認定されません。

参考:優良派遣事業者認定制度 公式サイト「認定基準」

優良派遣事業者を選べば、安心して働きやすくなるだけでなく、しっかりと経験を積むことで待遇向上も期待できるでしょう。

まとめ

派遣会社のマージン率とは、派遣先企業が派遣会社に支払う料金のうち、派遣社員への賃金以外の部分、つまり派遣会社が得る金額の割合を指します。マージン率には、派遣会社の利益だけでなく、社会保険料や教育訓練費なども含まれています。

派遣会社を選ぶ際は、自分の希望条件を明確にし、複数の派遣会社を比較検討することが大切です。優良派遣事業者かどうか、担当者の対応、口コミや評判を総合的に判断し、自分に合った派遣会社を選びましょう。