介護士のキャリアアップ方法!スキル向上・給与アップを目指そう
介護士のキャリアアップ方法は、「介護現場のプロフェッショナルとなる」「介護施設の管理者を目指す」「専門職の資格を取得して職種を変える」の3種類に分けることができます。キャリアアップを通してスキルアップ・給与アップを実現したい場合は、自分に合うキャリアアップ方法を見極めることが大切です。
そこで今回は、介護士が目指せるキャリアアップの道を複数紹介します。介護士が最初に取得できる資格も説明するため、すでに介護士として活躍している人はもちろん、介護士を志している人もキャリアアップ方法を確認しましょう。
目次
1.介護士が最初に取得できる資格
介護職の中には、無資格・未経験でも就くことができる仕事もあります。しかし、介護士としてスキルアップしたいと考えている場合は、積極的に資格取得を目指す方が得策と言えるでしょう。
以下より、これから介護の仕事を始める人や実務経験が浅い人が取得できる2つの資格を解説します。
1-1.介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護士を志す人が最初に取得しておきたい資格です。介護職員初任者研修を受講すれば、介護の基礎知識や基礎スキルを身に付けることができます。
介護職員初任者研修の資格を取得すると、採用時に有利になることはもちろん、資格手当を受けられるなど給与面でも優遇されます。介護職員初任者研修の資格は、数か月ほどスクールに通ったり通信講座を受けたりしてカリキュラムを学び、修了試験に合格すれば取得できます。受講資格は特に設けられていないため、介護士を志す人は最初に介護職員初任者研修を取得しましょう。
1-2.介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修修了者になれば、たん吸引や経管栄養などの医療的ケアを含め、より実践的な知識と技術を習得できます。
介護福祉士実務者研修研修は、介護職員初任者研修の次に取得したい資格です。
また、サービス責任提供者の資格要件や介護福祉士国家試験の受験資格とされているなど、介護福祉士実務者研修はキャリアアップを目指す上で欠かせない資格です。
介護士としてある程度の実務経験がある人は、ぜひ介護福祉士実務者研修の資格取得を目指してください。
2.介護士のキャリアアップ方法
介護士がキャリアアップするための主たる指針には、以下の3つが挙げられます。
- 介護現場のプロフェッショナルとなる
- 介護施設の管理者を目指す
- 専門職の資格を取得して職種を変える
介護士のキャリアアップには、さまざまな道があります。
ここからは、介護士が目指せるキャリアアップ方法について詳しく解説します。
2-1.介護福祉士の資格を取得する
介護福祉士は、介護士としてはもちろん、職種を変えてキャリアアップする予定の人も取得したい国家資格です。介護福祉士の受験資格は、介護施設で3年以上の実務経験を積んで介護福祉士実務者研修研修などを修了するほか、福祉系高校や養成施設に通うことでも得られます。
介護福祉士の有資格者となれば、専門知識や技術をもって介護を行ったり、高齢者や障害者などの要介護者や介護者に対して介護指導したりすることができます。
■介護福祉士の給与相場
月収 年収 313,960円 約376万円
2-2.ケアマネジャーの資格を取得する
ケアマネジャーは、介護支援専門員の別称です。ケアマネジャーを目指すためには、介護支援専門員実務研修受講試験に受験し、合格しなければなりません。
介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格は、介護福祉士をはじめとする国家資格を取得し、かつ実務経験が通算5年以上、従事日数が900日以上である人に与えられます。
ケアマネジャーの資格を取得すれば、要介護者のケアプランを作成できるようになり、現場コーディネーターとして活躍できます。
■ケアマネジャーの給与相場
月収 年収 349,980円 約419万円
2-3.生活相談員を目指す
生活相談員は、介護現場における相談業務のプロフェッショナルを目指す人におすすめの職種です。生活相談員になるためには、「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」いずれかの資格取得が求められます。しかし、自治体によっては介護福祉士やケアマネジャーの資格を有していれば、生活相談員になれる可能性があります。
生活相談員の主な仕事内容は、要介護者の施設入所や生活に関する相談援助・指導業務を行うことです。
■生活相談員の給与相場
月収 年収 321,080円 約385万円
2-4.介護長・施設長を目指す
介護長・施設長は介護施設の管理職を目指す人におすすめの職種です。施設によっては特定の資格要件が求められる場合があるものの、順調にキャリアを積めば、40代前後で介護長・施設長になることができます。
しかし、介護長・施設長になるためには、ポジションが空くまで待たなければなりません。より早く介護長・施設長になりたい場合は、新設の施設の求人募集を探してみましょう。
介護長・施設長の主な仕事は、サービス利用者・職員・運営・収支などの管理です。
■介護長・施設長の給与相場
月収 年収 322,890円 約387万円
2-5.サービス提供責任者を目指す
サービス提供責任者は、サービス利用者・ケアマネジャー・ヘルパーをつなぐ職種です。「サービス提供責任者」という名称は資格名ではなく職種名であるため、研修などの受講が必須となるわけではありません。しかし、サービス提供責任者になるためには、一般的に「介護福祉士」「介護福祉士実務者研修」「ホームヘルパー1級」いずれかの資格取得が求められます。
サービス提供責任者の主な仕事は、ケアマネジャーが立てた介護プランに基づいて訪問介護サービスの計画を立てたり、ヘルパーに指示・指導を行ったりすることです。
■サービス提供責任者の給与相場
月収 年収 306,150円 約367万円
2-6.看護師の資格を取得する
正看護師や准看護師の資格を取得し、看護職者として介護現場で働くこともキャリアアップ方法のひとつです。正看護師の資格は、高校卒業以上であれば看護大学・看護短大・専門学校に3~4年通い、国家試験に合格することで取得できます。一方、准看護師は、中学卒業以上であれば准看護師養成所に2年通い、国家試験に合格することで取得可能です。
看護師の資格を取得すれば、介護士では行うことができない点滴や注射などの医療行為を行えるようになります。
■看護師の給与相場
月収 年収 372,070円 約446万円
2-7.作業療法士・理学療法士・言語聴覚士の資格を取る
作業療法士・理学療法士・言語聴覚士の資格を取得すれば、介護現場でのさらなるキャリアアップを目指すことができます。いずれの資格も、専門学校や大学などで養成課程を修了し、国家試験に合格することで取得できます。
作業療法士・理学療法士・言語聴覚士は、いずれも機能回復訓練を担当します。
それぞれの担当領域は以下のとおりです。
- 作業療法士:着替えや入浴などの日常生活に必要な動作
- 理学療法士:立ったり歩いたりするなどの基本的な動作
- 言語聴覚士:言語コミュニケーションや嚥下機能など
■作業療法士・理学療法士・言語聴覚士の給与相場
月収 年収 344,110円 約413万円
2-8.独立・開業を目指す
独立・開業は、介護士にとって最大のキャリアアップと言えます。独立・開業を行って自らが事業者となれば、自分が理想とする介護事業所を作ることができます。
介護事業所の新設は、介護経験者や介護関係の資格所有者でなくても可能です。
しかし、独立・開業を行うためには、まとまった資金を用意しなければなりません。会社法の改正により現在は資本金が1円でも会社を立ち上げることはできますが、設定した資本金が低すぎると融資を受けるときや取引を行うときに影響が出る恐れがあります。
そのため、介護業界で起業したい場合は、理想とする介護事業所の実現に向けて、まず独立・開業資金を準備しましょう。
まとめ
介護現場のプロフェッショナルや介護施設の管理者、専門資格の取得による職種の変更など、介護士はさまざまなキャリアアップの道がある職業です。
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