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偽装請負とは?概要・罰則と偽装請負を避ける4つのポイント

正社員や派遣社員、パート・アルバイト、さらにフリーランス・個人事業主など、何らかの理由がない限り従業員は基本的に自身で雇用形態を選んで勤務することが可能です。

さまざまな働き方ができるようになった近年、従業員はより自身のライフスタイルに適した働き方ができる一方で、労働に関する細かな法律も改正され続けています。企業側は法律をきちんと把握したうえで、うっかり違反してしまわないように気を付けなければなりません。

実際に、定期的に改正される労働基準法の知識がないことが原因で、知らず知らずのうちに法律違反をして罰則が課されたという企業も存在します。

そこで今回は、業務委託契約を結ぶ方が知っておくべき「偽装請負」について、概要から罰則、違反を避けるためのポイントまで紹介します。

1.偽装請負とは?

偽装請負(ぎそううけおい)とは、契約上は請負としながら、労働者に直接具体的な指示・命令をして労働させていることを指します。

そもそも「請負」とは、注文者が請負会社に対して業務を委託し、委託した仕事の完成や結果に対して報酬を支払うという契約です。注文者は請負会社に対して何らかの仕事を依頼するだけであるため、請負会社の従業員に具体的な指示を直接行うことはできません。

一方で「派遣」は、派遣元である事業者が、派遣を依頼した会社に人材を派遣し、派遣先会社の指示や命令を受けて従事させるという契約です。派遣を依頼した会社に派遣する人材は、派遣事業者ではなく、派遣先会社の直接的な指示に従って業務をすすめます。

1-1.偽装請負の問題点

偽装請負の最も大きな問題点は、発注者のあらゆる責任があいまいになるだけでなく、労働者の安全面・雇用契約などの労働環境がきちんと確保されないことです。

そもそも偽装請負の場合、労働者にとっては「雇用関係が成立しているかのような働き方をしているにもかかわらず、福利厚生が受けられない」という点が最も問題と言えるでしょう。業務遂行、いわゆる仕事の成果に対して報酬が発生するのみであるため、残業手当・時間外手当・通勤手当といった諸手当も当然ありません。

さらに、労働者災害補償保険の対象外となるため、仕事中にけがをして一定期間働けなくなっても休業補償・傷病手当金を受けることが不可能です。

このように、偽装請負はいわゆる「会社有利・労働者不利」となることが問題とされています。

1-2.偽装請負の代表的な4パターン

偽装請負には、具体的なケースにより4つのパターンに分けられます。

代表型 契約上は請負であるにもかかわらず、注文者が労働者に直接細かい業務指示を出す・出退勤の時間を管理するなどして、雇用関係にあるかのようなパターンです。
形式だけ責任者型 現場に形だけの責任者を置き、実質的には注文者が労働者をコントロールするパターンです。
使用者不明型 企業A社と請負契約をした企業B社が、依頼された仕事を企業C社に委託し、企業B社の雇用する労働者が企業A社の現場に派遣するパターンです。企業A社の現場に派遣する労働者は、企業A社あるいは企業B社の指示のもと業務をすすめます。
一人請負型 企業A社が企業B社に労働者をあっせんしたものの、企業B社と労働者は直接労働契約を結ばず、個人事業主として請負契約を結び、業務の細かな指示・命令を直接行って労働させるパターンです。

出典:東京労働局「あなたの使用者はだれですか?偽装請負ってナニ?」

代表型は、その名の通り最も多いパターンで、形式だけ責任者型は倉庫内作業など単純業務に多く見られるパターンです。また、使用者不明型の偽装請負は、注文者・受注者の関係性が複雑となり、中間搾取が起こりやすいことが特徴と言えます。

2.偽装請負が発覚した際の罰則

偽装請負とみなされた場合は、請負を偽装した企業だけでなく、受け入れ側の企業もさまざまな法律違反による罰則を受けてしまいます。下記は、偽装請負が発覚した際、具体的にどのような法律で罰則を課されるかをまとめた表です。

労働者派遣法 偽装請負が発覚した場合、労働者派遣法第59条に基づき、「無許可派遣事業」として受注側である請負会社に1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課されます。
職業安定法 厚生労働大臣の許可を得ずに労働者供給事業を行い偽装請負が発覚した場合、職業安定法第64条に基づき、請負会社と発注側の双方に1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課されます。
労働基準法 中間搾取を伴う偽装請負が発覚した場合、労働基準法第118条に基づき、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課されます。

また懲役刑や罰金刑だけでなく、受け入れ側である企業の行政指導や企業名公表といった罰則も課されます。知らず知らずのうちに偽装請負に加担してしまっている可能性もあるため、注意が必要です。

3.偽装請負を避けるための4つのポイント

前述の通り、偽装請負による罰則は受け入れ側も課されることがあります。そのため、偽装請負を避けて、適切な請負契約・人材派遣契約を結ぶことが大切です。

偽装請負を避けるためには、下記4つのポイントに気を付けておきましょう。

  • 請負・派遣契約について理解しておく
  • 偽装請負に該当するケースを把握しておく
  • 契約内容が実態に即しているか確認する
  • 信頼できる業者と契約する

ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

3-1.請負・派遣契約について理解しておく

請負・派遣契約について理解しておくことは、「知らず知らずのうちに偽装請負に加担してしまっていた」というケースを避けるために最も有効です。

請負契約と派遣契約のそれぞれの仕組みや違いは、業務委託契約や派遣契約を結ぶ労働者・企業ともに最低限必要な知識と言えるでしょう。

3-2.偽装請負に該当するケースを把握しておく

偽装請負を避けるためには、偽装請負に該当するケースの把握も必要です。

偽装請負は、自身の知らないうちに発生している可能性も少なからずあります。偽装請負とみなされてしまうケースを事前に把握しておくことで、少しでも怪しいと感じた際に回避できるでしょう。

なお、偽装請負に該当するケースは「発注者から直接、具体的な指示・命令を受けているか」が重要なポイントです。

3-3.契約内容が実態に即しているか確認する

契約段階では内容をきちんと確認していても、業務の進行状況により何らかの変更が発生することもあります。

そのため、契約内容が実態に即しているかを定期的に確認することも大切です。請負契約を結ぶ際は、詳しい契約書・仕様書等を事前に定め、変更が生じた際の手続きも明確化しておきましょう。

3-4.信頼できる業者と契約する

偽装請負が発覚した場合は、労働者にも罰則が課される可能性があります。そのため、派遣契約を結ぶ業者選びも重要です。

派遣業者の中には、契約内容を明確にしなかったり、偽装請負に該当していると知ったうえで具体的な指示をしたりする悪質な業者も存在します。

働き方が多様化している近年は、偽装請負の取り締まりも強化されています。信頼できる業者と契約することで、偽装請負に加担するリスクも大いに低められるだけでなく、安心して働き続けることができるでしょう。

まとめ

偽装請負とは、請負契約をしているにもかかわらず、労働者に直接具体的な指示・命令をして労働させることです。さまざまな働き方ができる近年、自身の知らないうちに偽装請負を行ってしまっている労働者も少なくありません。偽装請負が発覚した場合は、偽装請負を行った企業側だけでなく労働者側にも罰則を課されることもあります。罰則を課されないためにも、偽装請負に関する知識は最低限必要と言えるでしょう。

また偽装請負を避けるためには、契約形態や偽装請負の該当ケースを理解するだけでなく、信頼できる業者と契約したうえで、契約内容を定期的に確認することも大切です。

派遣スタッフとして働きたい方にとっては、特に派遣会社選びが重要と言えるでしょう。ここまでの内容を参考に、ぜひ信頼できる業者を選んでください。