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【2026年施行】労働施策総合推進法の改正ポイントを詳しく解説

労働施策総合推進法に関する2026年の法改正は、企業の人材管理やコンプライアンス対応に大きな影響を与える転換点です。ハラスメント対策の強化や女性活躍の推進を中心に、従来よりも踏み込んだ義務化や情報公開の拡大が進み、企業には具体的かつ実効性のある対応が求められます。

特に、カスタマーハラスメントや求職者へのセクハラ防止などにも明確な対応基準が設けられました。当記事では、2026年に施行された労働施策総合推進法の改正ポイントを整理し、実務上押さえておきたい対応内容を分かりやすく解説します。

1.労働施策総合推進法に関する2026年施行の改正ポイント

2026年施行の法改正では、ハラスメント対策の強化と女性活躍の推進が中核テーマとなり、企業の雇用管理体制の見直しが求められます。

2025年6月11日に公布された改正では、労働施策総合推進法に加え、男女雇用機会均等法や女性活躍推進法も含めて制度が拡充されました。特に、カスタマーハラスメントや求職者に対するセクハラの防止措置が事業主の義務として明確化され、企業には具体的な対応体制の整備が求められます。また、女性活躍の分野では、男女間賃金差異や女性管理職比率の情報公開義務が従業員101人以上の企業に拡大されるなど、透明性の向上が重視されています。

さらに、治療と仕事の両立支援についても努力義務が新設され、従業員の健康課題に配慮した働き方の整備が求められます。今後は、法令対応を単なる義務として捉えるのではなく、人材確保や企業価値向上につなげる視点が必要です。

以降では、実務対応の影響が大きい「ハラスメント対策の強化」と「女性活躍の推進」を中心に、具体的な制度内容と対応ポイントを詳しく解説します。

出典:厚生労働省「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律の概要(令和7年法律第63号、令和7年6月11日公布)」

2.【2026年4月】女性活躍に関する情報公開義務の拡大

2026年4月施行の改正では、女性活躍に関する情報公表義務が従業員101人以上の企業へ拡大され、開示内容も具体化されます。

女性活躍推進法の改正により、従来は主に301人以上の企業に限定されていた情報公表義務が、101人以上の企業にも広がります。特に「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」の2項目は必須の公表項目となり、企業は自社の実態を数値で示す必要があります。

さらに、301人以上の企業は加えて2項目以上、101人~300人の企業は1項目以上を、採用比率や育児休業取得率などの指標から選択して公表します。この改正に対応するためには、賃金データや管理職定義の整理、社内データの正確な集計体制の構築が不可欠です。

加えて、優良企業認定制度であるプラチナえるぼしの要件にも変更があり、求職者へのセクハラ防止措置の公表が追加されます。なお、プラチナえるぼしの要件追加は2026年10月施行であり、段階的な対応が必要です。

出典:厚生労働省「ハラスメント対策・女性活躍推進に関する改正ポイントのご案内」

出典:厚生労働省「男女間賃金差異 と 女性管理職比率 の公表義務が拡大」

3.【2026年10月】カスタマーハラスメント対策の義務化

2026年10月施行の改正では、カスタマーハラスメント対策が事業主の義務となり、従業員保護のための体制整備が必須となります。

改正労働施策総合推進法では、顧客や取引先からの不当な言動による就業環境の悪化を防ぐため、企業に具体的な対応措置の実施が求められます。これまでは厚生労働省の指針で相談対応体制の整備や被害者への配慮などが望ましいとして努力義務に近い位置づけでしたが、法的義務として明確化された点が大きな変更点です。企業は、従業員を守るための方針策定や相談体制の整備などを実務レベルで進める必要があります。

ここでは、カスタマーハラスメントの定義と、事業主が講じるべき措置と対応について解説します。

出典:厚生労働省「ハラスメント対策・女性活躍推進に関する改正ポイントのご案内」

出典:厚生労働省「令和8年10月1日から、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!」

3-1.カスハラとは?

カスタマーハラスメントとは、顧客などの言動が社会通念上の許容範囲を超え、労働者の就業環境を害する行為を指します。

具体的には、下記に当てはまる行為がカスハラに該当します。

  • 顧客・取引先・施設利用者などの利害関係者による言動
  • 業務の性質に照らして過度な要求や暴言など社会通念上許容されない内容
  • 結果として労働者に身体的・精神的苦痛が生じ、就業に支障が出る場合

正当なクレームや合理的な要望は該当せず、あくまで不当性や過剰性が判断基準となります。

3-2.カスハラ防止のために講じるべき措置(義務)

事業主は、カスタマーハラスメント防止のために方針の明確化や相談体制の整備などを必ず実施する必要があります。

まず、カスハラに対して毅然と対応し従業員を保護する方針を策定し、社内に周知します。あわせて、具体的な対応手順や判断基準を明確化し、従業員が迷わず対応できる状態を整えましょう。同時に、相談窓口を設置して担当者が適切に対応できる体制を構築することが大切です。

万が一カスハラが発生した場合は、迅速な事実確認を行い、被害者への配慮や再発防止策を講じる必要があります。

3-3.カスハラ防止のために講じるのが望ましい措置

義務に加えて、カスハラ防止のために従業員の対応力を高める研修の実施を行うことが望ましいとされています。商品やサービス理解を深めることで、顧客対応の質を向上させ、トラブルの未然防止につながります。また、カスハラの発生要因を分析し、業務プロセスや接客体制を見直すことも有効です。

さらに、労働組合や従業員の意見を踏まえて制度運用を定期的に見直すことや、従業員へのハラスメント防止方針を示すことも推奨されています。義務対応にとどまらず、継続的な改善を行うことがカスハラ対策につながります。

4.【2026年10月】求職者に対するセクハラ対策の義務化

2026年10月施行の改正では、求職者に対するセクハラ防止措置が事業主の義務となり、採用活動全体の管理体制強化が求められます。

改正男女雇用機会均等法では、従業員だけでなく、インターン参加者や応募者などの求職者も保護対象に明確化されました。近年では採用面接やインターンの場面における不適切な言動が問題視されており、企業は採用プロセス全体でのハラスメント防止体制を整備する必要があります。

ここでは、就活セクハラと防止策について詳しく解説します。

出典:厚生労働省「ハラスメント対策・女性活躍推進に関する改正ポイントのご案内」

出典:厚生労働省「令和8年10月1日から、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!」

4-1.就活セクハラとは

就活セクハラとは、求職者に対する性的な言動により、求職活動に支障を与える行為を指します。

対象となる「求職者等」とは、応募者やインターン参加者、企業訪問者などを指し、性的な言動には、性的な質問や噂の流布といった発言に加え、関係の強要や不必要な接触などの行動も含まれます。

具体例として、インターン中に性的な冗談を繰り返す、面接時に交際や関係を求める、執拗に私的な食事へ誘う行為などは就活セクハラに該当します。

4-2.就活セクハラ防止のために講じるべき措置(義務)

事業主は、求職者に対するセクハラを防止するため、方針の明確化や迅速な対応体制を整備する義務があります。

まず、求職者へのセクハラを禁止する方針と違反時の対応内容を明確化し、従業員へ周知します。加えて、面接やインターンに関するルールを事前に定め、求職者にも共有しましょう。

問題が発生した場合は、事実関係を迅速に確認し、被害者への配慮措置と行為者への適切な処分を行います。さらに、プライバシー保護や不利益取扱いの禁止を徹底し、安心して相談できる環境を整備することも求められます。

4-3.就活セクハラ防止のために講じるのが望ましい措置

就活セクハラの未然防止や実効性向上のための取り組みも必要です。

推奨されている取り組みとして、大学のキャリアセンターなど外部機関と連携し、相談情報を共有して適切に対応する体制の整備が挙げられます。また、インターンや説明会において求職者が安心して参加できる環境づくりも必要です。

セクハラだけでなく、パワハラやカスタマーハラスメントに類する行為についても注意喚起を行い、包括的なハラスメント対策を講じることで、採用活動の信頼性向上につながります。

まとめ

2026年施行の法改正では、ハラスメント対策の義務化と女性活躍に関する情報公開の拡大が柱となっています。カスタマーハラスメントや就活セクハラへの具体的な防止措置が求められるほか、男女間賃金差異や女性管理職比率の公表により、企業の透明性も一層問われるようになりました。

こうした変化に対応するためには、単なる制度整備にとどまらず、社内データの管理体制や相談体制の強化、従業員教育の充実まで踏み込んだ取り組みが不可欠です。法改正を契機として、働きやすい職場環境の整備と企業価値の向上を同時に実現する視点が必要となるでしょう。