採用受付センター

電話番号 0120-450-151

堺・神戸・枚方の人材派遣会社ならパワーキャスト

ESGとは?簡単に分かりやすく解説!SDGsやCSRとの違いも

企業が長期的に成長していくために、経営において「ESG」という3つの考え方が必要だと言われています。人類は、地球温暖化や水不足をはじめとした環境問題にくわえて、差別・人権問題といった社会問題に直面している現状です。

世界中がESGに注目する中で、自社でも取り組みを進めたいと考えているものの、ESGについてよく理解していないという方もいるのではないでしょうか。

当記事では、ESGとは何かを簡単に解説するとともに、実際の企業の取り組み事例やSDGs・CSRとの違いなどを解説します。

1.ESGとは?簡単に解説

ESGとは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の頭文字を取った言葉です。企業が投資家から高い評価を得る上で重要となる考え方や取り組むべき対策を、ESGは3つの要素にまとめています。

ESGの3要素は、具体的には以下の内容です。

Environment
(環境)
温暖化対策、生物多様性の維持、リサイクル可能な製品の製造、プラスチック製品の削減など
Social
(社会)
働き方改革、ダイバーシティの推進、所得格差の改善、女性活躍など
Governance
(企業統治)
情報開示、透明性・公平性がある経営、法令遵守、株主に代表されるステークホルダーの権利保護など

ESGを志向する企業経営は「ESG経営」と呼ばれ、持続的な発展ができる経営手法として世界的に注目を集めています。

また、ESG経営を実施する企業を投資先として選ぶ「ESG投資」は、機関投資家を中心に広まっている新しい投資の流れです。

以下では、ESGの3要素をより詳しく解説します。

1-1.E(Environment)環境

E(Environment)は「環境」であり、地球上で発生している環境問題と必要な対策を示す要素です。

現代社会は環境よりも経済的な発展を優先してきた結果、地球にはさまざまな環境問題が発生しています。代表的な環境問題としては地球温暖化があり、気候変動や海水面の上昇、野生動物の絶滅危機なども大きな課題です。

環境問題の解決を目指すためには、世界各国が連帯して対応を取ることはもちろん、企業の取り組みや個人の行動も重要です。企業の取り組み例としては脱炭素経営の実現や再生可能エネルギー設備の導入、リサイクル活動による資源の有効利用などが挙げられます。

1-2.S(Social)社会

S(Social)は「社会」で、社会問題と社会全体で取り組むべき活動のことです。

現代社会は経済的な発展を実現できたものの、一方ではさまざまな社会問題も出現・増加しています。社会問題の多くは、利益を追求する企業の経営活動によって引き起こされた側面があり、社会問題の解決に取り組むことは企業の重要な責務です。

社会問題の例としては、就労に伴う過労死や自殺、所得格差・地域格差、人材登用の性別格差や人権問題などが挙げられます。働き方の改善やダイバーシティ推進、地域活性化への貢献といった取り組みの推進が、企業に求められる役割です。

1-3.G(Governance)ガバナンス

G(Governance)は「ガバナンス」を表し、企業の経営が健全に行われるよう企業統治(コーポレートガバナンス)の仕組みを整えることです。

不正会計や製品に関する偽装といった不正・不祥事は世界中で発生しており、企業の経営を揺るがすだけでなく社会全体に悪影響を及ぼすケースもあります。企業が持続的・長期的な発展を目指すためには、健全な経営基盤の整備が欠かせません。

企業統治に取り組むと、企業は自社の経営・財務状況を理解でき、適切なリスク管理を行えるようになります。透明性のある情報発信によってステークホルダーからの信頼が得られ、安定した利益を望めるようにもなるでしょう。

2.ESGとSDGsの違いとは?

ESGとセットで扱われるものに「SDGs」があります。

SDGsとは、持続可能な開発目標のことです。SDGsは2015年の国連サミットで採択された国際目標であり、2030年までに達成するべき対象として17の目標を掲げています。

17の目標は「貧困をなくそう」「エネルギーをみんなにクリーンに」「ジェンダー平等を実現しよう」などがあり、ESGとの共通項が多い内容です。

ESGとSDGsの違いは、ESGは企業単位の取り組みであるのに対し、SDGsは企業以外にも個人・自治体・国家といったより幅広い層の取り組みを求めている点です。

取り組みの規模もSDGsのほうがESGより大きく、企業がESGを推進することで、SDGsが掲げるいくつかの目標の達成につながります。

3.ESGとCSRの違いとは?

ESGとの関連が深い用語には「CSR」もあります。

CSRとは、「Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)」の頭文字を取った略語です。企業が環境や社会に与える影響に配慮し、ステークホルダーに対する責任を果たすための活動全般を意味します。

ESGとCSRは、一見すると内容がほとんど同じであり、どちらも企業価値の向上を目標とした取り組みです。しかし、取り組みを評価する視点には違いがあります。

ESGは企業の持続的な発展が可能であるかを、主に投資家側の視点で評価することが特徴です。対して、CSRは企業が社会的責任を果たしているかを、企業側の視点で評価します。

4.ESGの取り組み事例

ESGの考え方は大企業を中心に浸透していて、実際にESG経営に取り組む企業も登場しています。

最後に、ESGの取り組み事例として3社を挙げて、各企業の取り組みや具体的な内容を紹介します。

4-1.花王株式会社

花王株式会社は独自のESG戦略として「Kirei Lifestyle Plan」を策定し、ESG活動を推進しています。

花王株式会社の主な取り組み内容は、以下の通りです。

  • 花王ユニバーサルデザイン指針の策定
  • 調達基本方針にもとづく公正・公平な購買活動
  • 取引先とのESG推進活動
  • プラスチック資源削減などの推進
  • 花王人権方針の策定

など

また、目標として「2030年花王のコミットメント」を掲げていて、活動を通して花王株式会社がESGに取り組めることを示しています。

出典:花王株式会社「花王のESG戦略 – Kirei Lifestyle Plan」

4-2.富士フイルムホールディングス

富士フイルムホールディングスはサステナブル社会の実現を目指し、以下の取り組みを行っています。

  • 携帯型X線撮影装置の提供による、開発途上国への結核検診の支援活動
  • 従業員の健康維持増進への取り組み
  • 植林ボランティア活動の実施
  • CSR計画「Sustainable Value Plan2030(SVP2030)」の策定
  • 中期経営計画「VISION2023」の策定

など

特に「SVP2030」では環境課題に対する2030年度に向けた数値目標の設定や、15の重要課題設定を行っており、ESGにつながる各種取り組みを推進しています。

出典:富士フイルムホールディングス「サステナビリティ」

4-3.日本郵政株式会社

日本郵政株式会社は、ESGの観点が企業の持続的成長・価値創出に重要であるとして、課題解決に向けた取り組みを進めています。

主な内容は以下の通りです。

  • 高齢者に対するみまもりサービスなどの拡充
  • 事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減
  • 投融資ポートフォリオにおける脱炭素化の推進
  • 内部通報制度の整備
  • ミスコンダクトが把握できる体制の整備

など

紹介したほかにも、グループガバナンス・コンプライアンスの整備や内部監査の推進も行っており、コーポレートガバナンス体制の構築を特に重視している点が特徴です。

出典:日本郵政株式会社「ESG関連情報」

まとめ

企業が長期的な発展を遂げるためには、ESG「Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)」にもとづく経営を推進していく必要があります。さまざまな環境問題・社会問題に取り組むのはもちろん、透明性をもって経営することが大切です。

また、ESGと併せてSDGsやCSRとの違い・関連性なども含めて把握しておくと、今後の経営計画を策定する上で役立ちます。すでに多くの企業が、ESGの取り組みを始めているため、実際の取り組み事例を参考にしながら自社でも進めていきましょう。