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インターンシップ内容の決め方は?学生が面白いと感じる内容例も解説

インターンシップは企業にとっても多くのメリットをもたらします。学生が実務を経験することで、企業は将来を担う人材を早期に発掘し、採用する機会を得られます。学生のスキル、適性、職業への熱意を直接確認でき、より効果的な採用戦略を立てることが可能です。また、インターンシップは企業のブランドや文化を広める絶好の機会でもあります。

当記事では、インターンシップの現状と、どのように内容を決めればよいかについて、詳しく解説します。

1. インターンシップとは

インターンシップは、学生が企業の実務を体験する制度です。実業務、研修、講義などを通じて業界や職種の理解を深めます。学生にとって仕事の実情を知る貴重な機会であり、企業には早期に学生の能力や適性を評価できる利点があります。インターンシップの制度は2000年代から広がり、現在では多くの企業が採用しています。

特に重要な変化は、2025年卒の学生から適用される新たなルールです。これまで経済産業省、文部科学省、厚生労働省の「三省合意」により、インターンシップで得られた学生情報の採用広報活動への利用は制限されていました。

しかし、規制緩和により、特定の条件下でこれらの情報を採用プロセスに活用できるようになりました。この変更は、インターンシップをより推進し、学生と企業の間の採用ミスマッチをさらに防ぐことにも寄与すると期待されています。

出典:厚生労働省「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります」

1-1. インターンシップの現状

マイナビ キャリアリサーチLab「2026年卒 大学生広報活動開始前の活動調査」によると、インターンシップ・仕事体験の参加率は2025年卒で85.7%、2026年卒で85.3%となっており、現在も多くの学生が参加していることが分かります。参加内容としては、グループワーク(企画立案・課題解決・プレゼンテーションなど)が73.5%でもっとも多く、若手社員との交流会が59.8%、会社見学・工場見学・職場見学が57.1%で続いています。また、3月以降のエントリー予定社数は25年卒で11.1社、26年卒で8.0社と減少傾向がみられます。

出典:マイナビ キャリアリサーチLab「2026年卒 大学生広報活動開始前の活動調査」

さらに、リクルート「就職白書2024」によると、2024年卒ではインターンシップ・1day仕事体験に参加した学生の43.7%が、参加した企業に入社予定と回答しています。また、「就職白書2026」では、2026年卒において内定者の中に自社のインターンシップなどの参加者が含まれていた企業は83.7%、インターンシップなどが採用選考に関係していたとする割合は84.8%でした。こうした結果から、インターンシップは学生との接点づくりにとどまらず、採用や入社意向にも関係する取り組みになっていると考えられます。

出典:就職みらい研究室「『就職白書2024』データ集」

1-2. インターンシップを導入している企業

2023年度から、学生のキャリア形成支援に関する取り組みの整理が進み、企業によるプログラム設計の考え方も変化しています。こうした流れの中で、学生との接点づくりを目的とした取り組みを実施する企業は多くみられます。

リクルート「就職白書2026」によると、2025年度のキャリア形成支援プログラムの実施状況は、オープン・カンパニーが88.7%でもっとも高く、汎用的能力・専門活用型インターンシップが33.0%、キャリア教育が27.1%、高度専門型インターンシップが3.2%、タイプ区分を意識せずに実施している企業が6.2%となっています。企業は採用活動の一環としてだけでなく、学生に自社を知ってもらう機会として、さまざまな形式のプログラムを取り入れていることが分かります。

出典:厚生労働省「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります」

出典:インディードリクルートパートナーズ「『就職白書2026』データ集」

2. インターンシップのルールの変更ポイント

2023年度の見直しにより、インターンシップを取り巻くルールは大きく変わりました。企業は変更点を正しく理解し、自社に合った形で運用することが重要です。ここでは、改正後の主な変更点を順に見ていきます。

2-1. キャリア形成支援プログラムが4類型化された

2023年度から、学生のキャリア形成支援に関する取り組みは4類型に整理されました。従来は、会社説明会に近い内容から実務体験を伴うものまで、幅広いプログラムが一括してインターンシップと呼ばれることもありましたが、改正後は目的や内容に応じて区分して考える必要があります。

特に注意したいのは、就業体験の有無や実施日数、対象となる学生によって扱いが異なる点です。企業は名称だけで判断せず、自社のプログラムがどのタイプに当たるのかを確認した上で設計しなければなりません。採用活動との関係もタイプごとに異なるため、内容を整理せずに運用すると誤解やルール違反につながるおそれがあります。以下で4つのタイプの特徴を整理します。

タイプ特徴
1オープン・カンパニー企業や業界の情報提供が中心。就業体験は伴わない。
2キャリア教育就業観や職業観を育てる教育型のプログラム。
3汎用的能力・専門活用型インターンシップ実務体験を伴う類型。一定の要件を満たす必要がある。
4高度専門型インターンシップ主に大学院生向けの高度な専門性を生かす就業体験。

出典:厚生労働省「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります」

2-2. 採用に活用できるインターンの実施要件が明確化された

2023年度の見直しでは、採用に活用できるインターンの実施要件も明確になりました。対象は主にタイプ3で、学生情報を採用活動に使うには、就業体験、指導、実施期間、実施時期、情報開示の要件を満たす必要があります。具体的には、実施期間の半分を超える日数を就業体験に充て、社員が指導とフィードバックを行い、汎用的能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上で実施します。

また、卒業・修了前年度以降の長期休暇中に行い、学生情報を活用する旨などを募集要項へ明示しなければなりません。いずれか1つでも欠けると採用活用はできないため、内容と表記の両面で確認が必要です。短期間の仕事体験や説明会に近い内容では、同じ扱いにならない点にも注意しましょう。

出典:厚生労働省「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります」

2-3. 要件を満たしたインターン(タイプ3)で学生情報が活用できるようになった

2023年度の見直しでは、一定の要件を満たしたタイプ3「汎用的能力・専門活用型のインターンシップ」で取得した学生情報を、広報活動や採用選考活動に活用できるようになりました。ただし、いつでも自由に使えるわけではなく、利用できるのは広報活動・採用選考活動の開始時期以降に限られます。つまり、実務体験を伴わないオープン・カンパニーやキャリア教育で得た情報は同じようには扱えません。

企業にとっては、学生理解を深めた上で採用につなげられる点が利点ですが、要件を満たさないまま学生情報を使うとルール違反になるおそれがあります。名称だけをインターンシップにしても認められるわけではないため、内容と運用の両方を適切に整えることが重要です。制度理解も欠かせません。

3. 学生に求められているインターンシッププログラムの特徴

学生に求められているインターンシッププログラムの特徴は、以下の通りです。

【学生が求めるインターンシッププログラムの特徴ベスト10】
複数日程の中から参加日を選べる53.5%
対面形式で開催される51.6%
採用選考で有利になる50.6%
冬期・春期休暇中に開催される45.3%
交通費が支払われる39.4%
土日祝日に開催される39.1%
現場で働く社員の話が聞ける35.9%
オンラインで開催される34.3%
フィードバックがある33.5%
見つけてから1か月以内に開催される27.7%

出典:マイナビキャリアリサーチLab「2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)」

もっとも重視されているのは、複数日程から参加日を選べることで、学生は自分のスケジュールに合わせてインターンシップを経験したいと考えています。また、冬期・春期休暇中や土日祝日に開催されるプログラムへの需要も高いです。

3-1. 学生が面白い・魅力的と感じるインターンシップの内容

学生が面白いと思うインターンシップにするためには、以下の3つの要素が重要です。

仕事の雰囲気を肌で感じられる
インターンシップは、単なる情報収集の場を超え、実際の職場環境を生の形で体験する機会です。学生は企業文化、職場の雰囲気、働くメンバーとのコミュニケーションなどを直接感じることができます。この経験は、仕事に対するリアルなイメージを形成し、企業へのマッチ、フィット感を確認する上で大きな価値があります。
リアルな業務体験ができる
学生は、インターンシップで実際の業務に参加することで、仕事の理論や学校での学びを実践に移す機会を得られます。例えば、プロジェクトへの参加、実際の課題解決、グループワークなどを通じて、職業技能や業界知識を深めることが可能です。このような体験は、仕事のリアリティを体感し、職業選択の意思決定にも役立ちます。
成長できる環境があると伝わってくる
学生は、自己成長とキャリアの発展ができるような環境を求めています。メンターとの面談やフィードバック、継続的なチャレンジの機会など、個人のスキル向上と専門知識の拡張を支援する要素は、インターンシップの魅力を大きく高めます。成長できる環境は、学生にとっても刺激的であり、将来のキャリアを築く上でも役立つでしょう。

3-2. インターンシップ内容の決め方と準備の進め方

インターンシップの内容を考える際には、以下の流れに沿って決めましょう。

1インターンシップの目的を決める

まずはインターンシップの目的を明確に設定します。

【目的の例】
  • 学生に特定のスキルや業界知識を提供する
  • 企業文化の理解を深めさせる
  • 将来的な採用につなげる
  • 母集団形成

目的の決定は、インターンシップの全体的な方向性を決定することになり、具体的な計画立案にもつながります。

2採用したい学生の特徴を具体化する
学生の学年、専攻、強み、キャリア目標、必要とされるスキルセットなど、ターゲットとする学生の特徴を明確にし、それに合わせたプログラムを設計します。

3どのように自社の魅力を伝えるか決める
インターンシップを通じて、企業がどのようなメッセージを伝えたいかを考えます。企業文化、キャリア成長の機会、独自の業務内容、働きがいなど、企業の魅力を効果的に伝えることで、学生に「ここで働いたら楽しそう、成長できそう」といった思いを抱いてもらいやすくなります。

4インターンシップの内容を決める
最後に、インターンシップの具体的な内容を計画します。実際の業務体験やグループワーク、課題などを通じて、実践的な学びの機会を提供しましょう。その際、企業の特色を生かせるような内容にすることが大切です。

一度、インターンシップの仕組みができれば、翌年以降は既存のフォーマットを参考にできます。毎年の反省を生かしながら、少しずつアップデートできるとよいでしょう。

4. 【期間別】インターンシップの内容例

インターンシップの期間には、主に短期・中期・長期の3つがあります。

1day仕事体験や短期(2~3日程度のインターンシップ)の場合

1day仕事体験や短期インターンシップは、通常1日から数日程度の期間にわたって実施されます。内容としては企業の概要説明、座談会、職場や工場の見学、簡単なワークショップなどが含まれます。これらの活動を通じて、学生は企業の雰囲気や基本的な情報などを知ることが可能です。

短期間のため、企業理解はそれほど深まらず、職種や業務内容の理解も限られます。そのため、主に企業の認知度向上や母集団形成にメリットがあるでしょう。

中期(選考に利用可能な5日以上のインターンシップ)の場合

実践的なグループワークや業務疑似体験が中心となり、学生は企業や職種についてより深く理解できるのが特徴です。企業や仕事への理解を深めることで、学生の志望度を高める効果が期待されます。

連続日程で実施されることが多く、開催時期によっては学生が参加しにくい場合があるため、開催時期の選定が重要です。

長期(1か月以上実施するインターンシップ)の場合

1か月以上、場合によっては1年を通して実施されることもあります。インターン生は通常、社員と同様の業務を行い、実際の職場環境での経験を積みます。時給や日給といった形で給与が支払われるケースが多いです。

短期や中期のインターンシップに比べて、実施にはより多くのリソースが必要ですが、その分、他社との差別化につながることもあります。

中期・長期インターンシップの場合、企業が先輩社員をメンターや相談役として設定し、学生の学習をサポートすることも多いです。

5. 成功事例から見る面白いインターンシップの内容

企業ごとに、インターンシップの設計や伝え方には大きな違いがあります。内容に工夫を凝らすことで、学生の印象に残りやすくなる点も特徴です。ここでは、面白いインターンシップを行っている企業事例を紹介します。

5-1. ソニーグループ

ソニーグループのインターンシップは、長期有給の技術開発、職場密着型の実務体験、新規事業提案など、テーマの幅広さが特徴です。最先端技術や事業づくりの現場に深く入り込み、社員の本気のフィードバックを受けながら挑戦できるため、仕事のリアルさと成長実感を得やすい点が学生から高く評価されています。短期から長期まで選びやすい点も魅力です。

出典:ソニー「Sony’s Internship」

5-2. 楽天グループ

楽天グループのインターンシップは、事業領域の広さを生かし、ビジネス職からエンジニア職まで幅広い学生が参加しやすい点が特徴です。短期間で企業理解を深められるイベント型から、実務や戦略立案を体験できるプログラムまで用意されており、自分の関心に合わせて選びやすくなっています。職種理解を深めやすいだけでなく、将来の働き方やキャリアの方向性を具体的に考えるきっかけになりやすい点も魅力です。

出典:楽天「INTERNSHIP・EVENT」

5-3. LINEヤフー

LINEヤフーのインターンシップは、AI時代のプロダクトづくりを軸に、エンジニア、企画、コンサル、デザイン、データ分析まで幅広い職種で実務を経験できる点が特徴です。実際の課題に向き合い、メンターの助言やフィードバックを受けながら成果を出す形式のため、事業規模の大きさと仕事の解像度を同時に体感しやすくなっています。大規模サービスの現場で求められる視点や考え方に触れられる点も、参加する価値の1つです。

出典:LINEヤフー「LINEヤフーインターンシップ2026」

5-4. Honda

Hondaのインターンシップは、事務系・技術系・デザイン系まで幅広いプログラムから、自分の志向に合う内容を選びやすい点が特徴です。参加者を「お客様」ではなく「仲間」として迎え、社員と密に対話しながら学べるため、仕事理解が深まりやすい構成になっています。満足度が95%と高く、実践的な学びを得やすい点も学生に評価されています。

出典:Honda「インターンシップ・ワークショップ」

5-5. ユニクロ&GU

ユニクロ&GUを展開するファーストリテイリングでは、Global Business InternshipやGLOBAL MANAGEMENT PROGRAMなど複数のインターンを用意しています。例年開催されるGLOBAL STUDY PROGRAMは、NYでの現地調査や社員との議論を通じて経営課題を考える内容で、視野を広げやすい点が特徴です。

出典:GLOBAL FELLOWSHIP

5-6. 株式会社ニトリ

ニトリのインターンシップは、自己分析から始まり、部署体験、店舗での就業体験、企画立案まで段階的に企業理解を深められる点が特徴です。製造物流IT小売業という独自のビジネスモデルを踏まえ、多様な仕事やキャリアに触れながら、自分の強みや将来像を見つめやすい構成になっています。企業研究と自己理解を同時に進めやすい点も、参加者にとって大きな魅力です。

出典:ニトリ

5-7. 株式会社資生堂

資生堂のインターンシップは、Sales、Brand Marketing、Digital Marketingなど職種ごとに内容が分かれ、実際の課題に近いテーマへ取り組める点が特徴です。生活者理解を軸に、提案、ブランド戦略、体験価値の創出まで幅広く学べるため、化粧品業界の仕事を具体的に捉えやすく、自分の適性を見極める機会にもつながります。

出典:Shiseido「インターンシップ・イベント情報」

5-8. 良品計画

良品計画のインターンシップは、複数部署がどう連携して仕事を進めるのかを学べる点が特徴です。商品開発や地域活動、海外展開などを題材に、現場と本部のつながりやキャリアの広がりを立体的に理解しやすく、短時間でも企業理解を深めやすい構成になっています。具体的な働き方を想像しやすく、自分の関心や適性を整理するきっかけにもなります。

出典:良品計画「夏季インターンシップ2026」

5-9. 株式会社ペンシル

株式会社ペンシルのインターンシップは、「日本一『意味のない』インターンシップ」という強い打ち出しで、就活の常識を問い直す点が特徴です。企業研究や自己分析をあえて前面に出さず、ありのままの自分で過ごす4日間を通じて、新しい気づきを得やすい構成になっています。評価され続ける就活に息苦しさを感じる学生にとって、発想の転換につながる体験として印象に残りやすい内容です。

出典:株式会社ペンシル「「伝説のインターン、再び」ペンシルが日本一意味のないインターンシップ4DAYSのティザー動画を公開」

まとめ

インターンシップの内容を決める際は、まず企業の目的と学生に提供したい経験を明確にします。重要なのは、インターンシップが単なる一方的な情報提供にとどまらず、相互の学びと成長が促進されるような内容にすることです。また、インターンシップの内容は、企業の特色を生かし、学生のキャリア形成に貢献するものでなければなりません。

学生が実践的な学びを通じて、職業的な知識・経験を得られるように計画することで、結果的に自社の魅力・特色も伝わりやすくなるでしょう。