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内定承諾後の辞退割合は?辞退の主な理由・割合を下げるコツ4つ

内定承諾後の辞退割合が高いと悩んでいる企業の中には、新卒採用における学生の内定辞退率が一般的にどの程度なのか知りたいと考えている企業も多いでしょう。新卒採用における「内定率」や「内定辞退率」の意味や実態を知ることで、最近の新卒採用の傾向を把握できます。

当記事では、内定承諾後の辞退割合・辞退が多い時期から、求職者が辞退する理由、内定承諾後の辞退割合を下げるコツまでを解説します。採用にかかる手間や費用を削減しつつ、採用率を高めたい企業の経営層・人事担当者の方はぜひお役立てください。

1.内定承諾後の辞退割合|辞退が多い時期

内定率とは、企業への就職を希望する人数に対して、内定を獲得した人数が占める割合のことです。たとえば、内定率が低い年は企業の求人数よりも就職を希望する人数が多いため、「買い手市場」と表現できます。反対に、内定率が高い年は就職を希望する人数に対して企業の求人数が多い状態であるため、「売り手市場」と言えます。

株式会社リクルートによると、2020年卒・2021年卒の大学卒業時点における内定率は96.1%です。2021年9月時点における2022年卒の内定率も90.0%と高く、近年は売り手有利の状況が続いていると言えるでしょう。

出典:株式会社リクルート「就職プロセス調査 (2022年卒)「2021年9月1日時点 内定状況」」

内定辞退率とは、企業の内定者のうち、内定辞退者が占める割合を指します。株式会社リクルートによると、2020年卒の内定辞退率は66.9%、2021年卒では57.5%でした。2022年卒では2021年9月時点で62.1%と比較的高い水準になっています。

出典:株式会社リクルート「就職プロセス調査 (2022年卒)「2021年9月1日時点 内定状況」」

一方、株式会社マイナビの調査では、2022年卒の内定辞退率は82.8%になっています(2021年9月時点)。

出典:株式会社マイナビ「マイナビ 2022年卒 企業新卒内定状況調査」

このように、調査会社によって若干の差はありますが、内定辞退率は高い傾向です。特に、優秀な人材は複数の内定をもらっているケースが多いため、内定後に辞退者が発生する可能性を考慮しておく必要があります。

また、内定が辞退されやすい時期としては、選考を受けた企業からの結果が出揃う6~8月ごろが考えられます。10月の内定式後や、卒業間近の3月に内定を辞退する人もいることを押さえておきましょう。

2.求職者が内定承諾後に辞退する理由

内定を承諾したにもかかわらず、内定者が辞退を決めることには相応の理由があります。内定辞退の割合を下げるためには、内定辞退の理由を知ることが大切です。

ここでは、求職者が内定を辞退する理由として代表的なものを3つ紹介します。内定辞退理由をふまえた上で、辞退割合を下げるための対策を検討しましょう。

2-1.他企業から内定通知がきた

内定を承諾したにもかかわらず、内定を辞退する理由の1つとして、他の企業から内定を得たことが挙げられます。

新卒の就活生の場合、複数企業の選考を並行して受けることも少なくありません。たとえば、自社の内定承諾書の提出期限が5月31日で、他の企業の合否結果が6月1日に来る場合、いったん内定を承諾してから他の企業の合否結果を確認することとなるでしょう。総合的に判断した結果、他の内定先を選び自社の内定を辞退することも考えられます。

2-2.家庭の事情や心身の問題で勤務することが難しくなった

自社への志望度が高くても、家庭の事情や心身の問題で勤務することが難しくなり、内定を辞退するケースもあります。たとえば、「家族に介護が必要となった」「早急に実家に戻らなければならなくなった」「ケガにより新年度からの勤務が困難となった」などの事情が挙げられるでしょう。

このケースでは、内定辞退の原因が求職者側や自社側にあるわけではないため、辞退の申し出があることはやむを得ません。療養後の復帰が見込めるなど、時期をずらせば勤務可能になる場合、求職者と相談の上で入社時期を検討してもよいでしょう。

2-3.進路に変更があった

内定承諾の時点では入社の意思があった求職者でも、進路に変更があり内定を辞退するケースがあります。「大学院への進学」「海外留学」などの理由もあれば、「取得単位不足による留年」といった理由もあるでしょう。

留学の場合は難しい可能性もありますが、進学や留年によって内定を辞退した方には、卒業までアルバイトやインターンという形態で入社してもらうのも1つの方法です。双方がよく話し合い、互いにメリットを得られるよう方向性を検討しましょう。

3.内定承諾後の辞退割合を下げる4つのコツ

内定承諾後にやむを得ない理由で辞退をするケースもありますが、辞退の理由によっては、企業の努力しだいで辞退割合を下げることができる場合もあります。辞退を選ぶ人の特徴や辞退理由の把握・分析を行い、自社に不足しているものを理解した上で、適切なフォローやプロセスの見直しを行いましょう。

ここでは、内定承諾後の辞退割合を下げるために企業ができる取り組みについて解説します。より効率的に採用活動を行うためにも、自社が実践できる取り組みからスタートしてみましょう。

3-1.早めに待遇や条件を提示する

入社後の待遇や勤務条件は、求職者が入社の意思決定をするのに重要な検討材料の1つです。「条件をなかなか提示してくれない」「条件の提示がないまま内定承諾を促された」と不満に感じる応募者も少なくありません。特に複数の内定を得るような優秀な人材は、具体的な条件の提示が遅いと他社の内定を選ぶこともあるため注意しましょう。

選考がある程度進まないと採用要件を出しにくいケースもありますが、なるべく早めに企業側から待遇や条件・具体的な業務内容を提示することが大切です。選考中・内定承諾後の辞退だけでなく、入社後のミスマッチを防ぐこともでき、結果として採用活動の効率化・採用コストの削減にもつながるでしょう。

3-2.スピーディーに選考する

「採用選考に時間がかかりすぎている」「連絡が遅い」など、就活中・選考中の対応が内定辞退につながるケースがあることにも注意が必要です。企業に対する信頼感や信用を損ねないよう採用プロセスを見直し、なるべくスピーディーに対応しましょう。

採用活動中は取り組むべきことも多数あり、採用担当者も忙しい時期ではありますが、面接などの選考日程の調整はなるべく早く行い、スピーディーに連絡することが大切です。結果の連絡や日程の調整に時間がかかる場合には、電話やメールで早めに見通しを伝え、質問・疑問には正確に回答するなど丁寧なフォローを心がけましょう。

3-3.個人に合ったフォローをする

内定承諾後から内定式までの間は、内定者が本当に入社するかどうかを検討する重要な期間です。自社への入社を選んでもらうためにも、内定者の志望度や入社意欲を高めるための内定者フォローを行いましょう。

たとえば、どのような同期がいるか知ることは入社を決める要素の1つとなり得ます。内定者の希望を聞いた上で、オンライン・オフラインの内定者懇親会の開催や内定者フォローSNSなどでの交流の機会を設けてもよいでしょう。また、個別のフォローが必要と判断される場合には、内定者の負担にならない範囲で個別面談を実施することもおすすめです。

3-4.社員とかかわる機会をつくる

入社前の不安をなるべく減らし、入社後のミスマッチを防ぐためにも、社員とかかわる機会を積極的に設けましょう。説明会後だけでなく、選考中や選考の最終段階、内定承諾から内定式までの間などの時期にも実施すると、自社への親近感や仕事へのモチベーションを高めてもらいやすくなります。

内定者と接する社員として年齢の近い若手社員が選ばれるケースが多く見られますが、さまざまな年次・立場の社員の話を聞ける機会を設けることも重要です。内定者が自身のキャリアを具体的にイメージできるような座談会を行いましょう。

まとめ

内定承諾後の辞退割合は調査によって異なるものの、低くはありません。求職者が内定を承諾したにもかかわらず辞退することには理由があり、他に気になる企業があった、家庭の事情で断念せざるを得なくなった、進路を変更したなどが代表的です。

内定承諾後の辞退割合を下げるためには、スピーディな対応や内定後のフォローが鍵です。また、社員とかかわる機会を設けることで、入社後のミスマッチを防げます。

辞退割合を下げることは、採用コストの大幅な削減につながります。自社の強みや採用のプロセスを見直し、内定者に適切なフォローをしましょう。