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トライアル雇用とは?助成金の要件・支給額・申請方法から注意点まで

トライアル雇用は、直接採用活動を行うものではなく、ハローワークなどの紹介を間にはさんで求職者と出会い、トライアル期間に適性を見極めたうえで雇用を決定する制度です。トライアル雇用には2種類のコースがあり、種類に応じて要件が異なります。

当記事では、トライアル雇用の概要・要件と試用期間の違いを解説したうえで、事業者側・求職者側の双方から見たトライアル雇用のメリット・デメリットを紹介します。トライアル雇用助成金の申請の流れにも触れるので、採用活動のコストを削減したい、ミスマッチを防ぎたい、幅広い人材を雇用したいという企業は、ぜひご一読ください。

1.トライアル雇用とは?

トライアル雇用は、ハローワークや職業紹介事業者から紹介された求職者を試行雇用し、適性や能力を確認して期間の定めがない雇用にしていくことを目的とした制度です。事業者と労働者のミスマッチを防ぐことができ、双方が合意をすれば無期雇用に移行し常用雇用となります。

事業者は、トライアル雇用を利用することによって人材の確保とトライアル雇用助成金制度の申請が可能です。

すべての求職者が制度の対象になるわけではありません。トライアル雇用助成金の支給対象者には、離職した期間が1年以上ある、2年以内に離職や転職を2回以上している、日雇労働者であるなどの受給要件があります。

出典:厚生労働省「トライアル雇用」

1-1.トライアル雇用と試用期間の違い

トライアル雇用と試用期間は同じだと考える方もいるでしょう。しかし、2つには大きな違いがあります。

トライアル雇用は、原則3か月のトライアル期間が初めから設定されています。トライアル雇用期間終了後に双方の合意があれば、無期雇用すなわち雇用契約をして常用雇用に移行することが可能です。どちらかが辞退すれば採用に至らない場合もあり、事業者が必ず採用する義務がないのが特徴です。

一方、試用期間は雇用契約をし常用雇用となった後の一定期間に、能力や適性などを確認する期間のことです。適性がないからと事業者側の理由で簡単に解雇できないのが特徴と言えます。また、トライアル雇用労働者は助成金申請の対象ですが、正規雇用した労働者の試用期間に助成金などはありません。

2.トライアル雇用助成金の種類と要件

トライアル雇用助成金には主に2種類のコースがあります。一般トライアルコースと、障害者トライアルコースです。それぞれ要件や対象労働者、支給額に違いがあるので、細かい内容を確認することが必要です。

ここでは、各コースの概要・要件・対象労働者などについて解説します。

2-1.一般トライアルコース

一般トライアルコースは、対象労働者の雇い入れ日から最長3か月のトライアル期間が対象です。対象者1人あたり月額最大で4万円の支給額となっています。母子家庭の母、父の場合は月額5万円です。

トライアル雇用助成金は3か月の期間をまとめて申請し、期間中に対象者が離職または常用雇用に移行となった場合は、トライアル雇用期間の日数を計算して助成金が支給されます。

受給要件は以下を参考にしてください。

(1)対象労働者は(a)~(e)のいずれかに当てはまること

(a)紹介日以前2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している

(b)紹介日以前、職に就いていない期間が1年以上ある

(c)妊娠、出産、育児を理由として離職し、職に就いていない期間が1年以上ある

(d)ハローワークなど紹介者制によって個別支援を受けている55歳未満の方

(e)職に就くことの援助が必要な方

 ※生活保護受給者、母子家庭の母、父子家庭の父、日雇労働者、ホームレスなど

(2)雇用要件

  • ハローワークなどの紹介で雇い入れをすること
  • 3か月間トライアル雇用をすること
  • 定労働時間が1週間で30時間以上であること

出典:厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」

2-2.障害者トライアルコース

障害者トライアルコースは、ハローワークや職業紹介事業者などから紹介された障がい者の方が対象となっています。障害の種類によってトライアル期間も変わるので、障害者トライアル雇用助成金の対象労働者や要件はよく確認しましょう。3か月から12か月の期間中、対象者1人あたり月額4万~8万円が支給されます。

障害者トライアルコースには障害者短時間トライアルコースもあり、短時間トライアルコースの対象者は精神・発達障害者で、週20時間以上の勤務が難しい方が対象です。

(1)対象労働者は(a)と(b)に当てはまること

(a)障害者トライアル雇用制度を理解し、制度を利用して雇い入れを希望している事業者

(b)障害者雇用促進法で規定している障害者で下記のいずれかに当てはまること

  • 経験したことのない職業に就くことを希望する
  • 離職を2回以上か転職を2回以上、紹介日2年以内にしている
  • 離職している期間が紹介日の時点で6か月を超えている
  • 重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者

(2)雇用要件

  • ハローワークや職業紹介事業者などの紹介で雇い入れをすること
  • 障害者トライアル雇用などの期間は、雇用保険被保険者資格取得の届出を行うこと

出典:厚生労働省「障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース」

現在は「新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース」もあり、雇用期間の特例や支給額も拡充しています。また、令和4年5月より、「ウクライナ避難民」も対象者となっています。厚生労働省のトライアル雇用助成金リーフレッドなどで詳しい内容を確認してください。

出典:厚生労働省「事業主の方へ」

3.トライアル雇用のメリット・デメリット

実際にトライアル雇用を利用した場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ここでは、事業者側と求職者側に分けて解説します。

事業者側のメリット
  • トライアル雇用助成金の受給により、採用コストを抑えられる
  • トライアル期間によって適性や能力を判断でき、ミスマッチを防げる
  • ハローワークなどより企業の条件に合う求職者を紹介してもらえるため、採用までの時間を短縮できる
事業者側のデメリット
  • 就業経験がない、異業種からの転職という人も多く、教育体制を整える必要がある
  • 業種によっては人材育成に時間がかかる
  • ハローワークなどと連絡をとりながら雇用関係助成金の申請をするため、資料作成や手続きに時間がかかる
求職者側のメリット
  • 採用になる確率が高い
  • トライアル期間に業務を実践することで、自分に合った職種かを判断できる
  • トライアル期間を経て向いていないと判断した場合は継続を断れる
求職者側のデメリット
  • 複数の求人に応募できない
  • 有期雇用から常用雇用に移行できるかは事業者に委ねられる
  • トライアル期間で不採用になった場合、職歴が増える

事業者と求職者それぞれの目的によっては、トライアル雇用は非常に役立つ制度です。目的や価値観が合致する方と出会う良い機会になるでしょう。

4.トライアル雇用助成金の申請方法と注意点

トライアル雇用助成金を受けるためには、雇用時に「トライアル雇用実施計画書」、実施後には「結果報告書兼支給申請書」をハローワークに提出します。厚生労働省のホームページから実施するトライアルコースの申請様式をダウンロードして、必要事項を記入し、提出しましょう。

以下では、申請方法と注意点を解説します。

▼一般トライアルコース

一般トライアルコースの受給要件と対象労働者について、紹介があったハローワークに申請書を提出します。

トライアル雇用実施計画書様式

  • トライアル雇用実施計画書(共通様式第1号)
  • トライアル雇用対象者確認票(実施様式第1号)
  • トライアル雇用助成金確認票(実施様式第2号)

結果報告書兼支給申請書様式

  • 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
  • トライアル雇用結果報告書兼トライアル雇用助成金支給申請書(共通様式第2号)

出典:厚生労働省「トライアル雇用助成金の申請様式ダウンロード」

▼障害者トライアルコース

障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースも、雇用時に「実施計画書」、実施後に「結果報告所兼支給申請様式」を対象労働者を紹介したハローワークへ提出します。

実施計画書様式

  • 障害者トライアル雇用等実施計画書(共通様式第1号)
  • 障害者トライアル雇用対象者確認票(実施様式第1号)
  • 障害者短時間トライアル雇用対象者確認票(実施様式第1号)
  • トライアル雇用助成金支給対象事業主要件票

結果報告書兼支給申請書様式

  • 障害者トライアル雇用等結果報告書、障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース支給申請書(共通様式第2号)
  • トライアル雇用助成金勤務実態等申立書(共通様式第2号)

出典:厚生労働省(トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)の申請様式ダウンロード)

申請書の記入の仕方が分からない場合は、紹介があったハローワークへ問い合わせして確認すると、記入漏れや間違いがなくスムーズに助成金の支給がされます。なお、年度をはさんで申請を行う場合は提出する書類が異なる場合があるので、厚生労働省のホームページをよく確認しましょう。

まとめ

トライアル雇用とは、事業者側と求職者側の双方が業務やスキルなどを確認のうえで、正規雇用につなげる制度です。事業者側はトライアル期間に助成金が支給されるので、採用コストの削減が可能です。求職者側は職場を体験することで、自分に適しているかを判断できます。

一方で、教育者が必要になる、必ずしも正規雇用になるわけではないなど、それぞれにデメリットもあるので、企業の目的を今一度確認のうえでトライアル雇用の導入を検討しましょう。